【阪神日本一】木浪、感動をありがとう 攻守に活躍、故郷・青森県から喜びの声

 「満点の働き」「感動をありがとう」。プロ野球・阪神タイガースが、関西対決となった日本シリーズを制し、38年ぶりの2度目の日本一に輝いた。青森市出身の木浪聖也(29)=青森山田-亜大出=もシリーズ打率4割、無失策と攻守で貢献。木浪にゆかりのある青森県関係者からは、祝福と喜びの声が相次いだ。

 プロ5年目の今季は「恐怖の8番打者」として奮闘。クライマックスシリーズ(CS)ではサヨナラ打を放つなど活躍し、最優秀選手(MVP)に選ばれた。オリックス・バファローズとの日本シリーズは8番ショートで全試合に先発出場。5日の最終第7戦でも安打を放って25打数10安打と好成績を残し、優勝が決まるとマウンドで歓喜の輪に加わり、満面の笑みを見せた。

 「高校時代から見ると、ここまでの選手になるとは思わなかった。かなりの努力をしたのだろう」と語るのは、青森山田高の元監督で恩師の澁谷良弥さん(76)=同高硬式野球部アドバイザー。木浪とは頻繁に連絡を取り合っているといい、「『背伸びせず、自分のやれることをしっかりやるんだ』と声をかけてきた。いい働きをしてくれてうれしい。今シーズンは満点」と声を弾ませた。

 大舞台で躍動した木浪の姿に、将来への夢を膨らませる後輩も。篠田小時代の6年間所属した青森市の「安田ヤンヤン少年野球チーム」の一瀬晃仁(あきひと)主将(11)=浜田小6年=は「チャンスでの打撃と、難しいボールを軽くさばく守備がすごかった。木浪選手のようなプロ野球選手になりたい」。澤田憲郎監督(67)は「去年はけがで苦労したが、ひたむきな姿勢が今年の結果につながった。木浪選手の活躍がエネルギーの源。感動をありがとうと伝えたい」と語った。

 青森山田中、高校で木浪とプレーした、北海道日本ハムファイターズの寺嶋大賜(たいし)アナリスト(29)=平内町出身=も「シーズン前のキャンプから、聖也が今年に懸ける決意を感じていた。チームに貢献して優勝したことは、友人としてうれしい」と喜びの声。高校同期には横浜DeNAベイスターズの京田陽太らもおり、「同じ時間を共にした同志と同じプロ野球の舞台でやれているのが幸せ。僕も青森の人たちに勇気を与え、恩返しをしていきたい」と刺激を受けた様子だった。

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