大谷はどこへ行くのか MLB公式サイトが移籍先候補8チームを選出

ワールドシリーズが終了し、オフシーズンに突入しているメジャーリーグ。今オフの移籍市場の主役となるのは、もちろんエンゼルスからFAとなった大谷翔平である。9月に自身2度目となる右ひじの手術を受け、二刀流の再開は2025年シーズンからとなる見込みだが、MLB公式サイトのマーク・フェインサンド記者は「攻撃力だけでもFA市場の目玉であり、前例のない契約に値する」と高い評価を与えている。フェインサンド記者は大谷に関する特集記事のなかで、移籍先候補として8チームをリストアップした。

再契約を目指すエンゼルスは、ペリー・ミナシアンGMが「大谷との再契約は今オフの最優先事項だ」と発言。しかし、フェインサンド記者は「ロースターに穴が多すぎる状況で、大谷を引き留めるための出費をする余裕はあるのか」とエンゼルスが大谷との再契約を目指す動きを疑問視する。そして「唯一確実なのは、エンゼルスが大谷に対してクオリファイング・オファーを提示することだ」としている。

移籍先の最有力候補に挙げられることが多いのがドジャースだ。フェインサンド記者は「昨オフのドジャースは控えめなFA補強に終始した。これは今オフに大谷を獲得するためだと考えられている」と指摘。「すでにムーキー・ベッツとフレディ・フリーマンがいるドジャース打線に大谷が加われば、とんでもないことになるだろう」と史上最強になり得る上位打線の形成に期待を寄せた。

ジャイアンツについては「アーロン・ジャッジの獲得に失敗し、カルロス・コレアとの契約を見送ったジャイアンツが待望のスーパースターとして大谷の獲得に乗り出しても不思議ではない。ドジャースの戦力アップを阻止する動きにもなるだろう」と述べている。

マリナーズについては今夏のオールスター・ゲームで地元ファンからの大歓声があったことを紹介。「フリオ・ロドリゲス、ルイス・カスティーヨ、ロビー・レイ、J・P・クロフォードの4人で年俸8000万ドルが固まっているが、マリナーズが大谷に全力投球する可能性はないとは言い切れない」とした。

メッツについてはスティーブ・コーエン・オーナーが山本由伸の獲得を熱望していることを紹介。その一方で「大谷が西海岸のチームを希望しているかどうかは不明だが、メッツが獲得に乗り出した場合、コーエン・オーナーを上回る条件を提示できるチームが現れるとは考えにくい」と述べた。

年俸総額の削減に動くことが報じられているパドレスについては「近年最もアグレッシブなチームの1つであり、A・J・プレラー編成本部長が何も行動を起こさないとは考えにくい。望みは薄いが、フアン・ソトをトレードして大谷の獲得に乗り出す可能性を排除することはできない。プレラー率いるパドレスにはどんな可能性もある」とした。

球団史上初のワールドシリーズ制覇を成し遂げたレンジャーズも移籍先候補の1つに挙げられている。フェインサンド記者は「悲願の世界一を成し遂げたことで大谷を獲得する必要性は下がったかもしれないが、大谷を獲得すれば、21世紀初のワールドシリーズ連覇の有力候補になるだろう」としている。

レッドソックスについては、チームOBの殿堂入り投手ペドロ・マルティネスが大谷を高く評価していることを紹介。ただし、「新しくチーフ・ベースボール・オフィサーに就任したクレイグ・ブレスローは投手の補強を最優先に考えている。大谷は2025年まで投げられない」と右ひじの手術を受けた大谷が現在のレッドソックスのニーズに合致しないことを指摘した。

FA市場における大谷の評価には、やはり右ひじの手術が大きく影響している。2024年シーズンに投げられないだけでなく、2025年以降に元通りのピッチャーになる保証もないからだ。とはいえ、打者としての実力だけを見ても、昨オフにヤンキースと9年3億6000万ドルで再契約したジャッジと同等のものを持っている。ここに投手としての価値を加えれば、ジャッジをはるかに上回る超大型契約を手にすることは間違いないだろう。

一方で、二刀流復活後に再びFAとなるために、大谷サイドが2~3年の短期契約を望む可能性も残されている。移籍先を決めるうえで、大谷自身が何を最優先に考えるのか。長期契約を望むのか、今回は短期契約で済ませようとするのか。大谷自身の考えは、現時点では公になっておらず、エンゼルス以外との交渉が解禁されたあと、大谷サイドがどんな動きを見せるのか大きな注目が集まっている。

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