米議員、香港の司法への制裁要請

米国下院・上院の超党派議員数名が、香港当局者や司法関係者を制裁リストに追加するようホワイトハウスに求める提案を提出した。11月4日付香港各紙によると、新たな制裁リストに含まれているのは林定国・司法長官、国家安全委員会の区志光・秘書長、警務処の蕭沢頤・処長、終審法院(最高裁判所)の張挙能・首席判事ら49人。外交部駐港特派員公署は強い不満と断固とした反対を表明し、特区政府もこの行為を「稚拙な政治ショー」として強く非難した。

米国議員が提案した制裁リストには、民主派の予備選挙事件を審理している最高裁判所判事の陳慶偉氏、李運騰氏、陳中衡氏、区域法院(地方裁判所)の陳広池氏ら、香港版国家安全法で指定された20人以上の現職判事も含まれている。 律政司の検察官17人もリストに名を連ねている。

外交部駐港特派員公署は「米国の一部の悪徳政治家は香港が正常な軌道に戻っているという客観的事実を無視し、法の支配と司法の独立を無視し、香港に対して不当な制裁を繰り返し課そうとしている」と批判。「彼らは職務を遂行する裁判官やその他の特区職員に対する制裁を公然と要求し、あくなき覇権主義的行動と香港を混乱させる卑劣な意図を十分露呈しており、いかなる制裁や脅迫も中国国民を怖がらせることはできない」と強調した。

特区政府も米国の関係議員らを強く非難し「彼らが提案したいわゆる『法案』は国家安全を維持する特区職員を脅迫する卑劣な試みである」と述べた。「特区政府はいかなる脅迫も恐れず、今後も国家の安全を守る責務を揺るぎなく履行していく」として、これら米国の政治家に対し、国際法や国際関係の基本規範に反する行為を即時中止し、中国の内政問題である香港問題に対する干渉を即時停止するよう強く求めている。政府報道官は「香港版国家安全法の施行が成功したことにより、香港市民の生活と経済活動は速やかに正常に戻ることができたが、米国の政治家らは関連事実には耳を貸さない」と主張。「彼らの稚拙な政治ショーと卑劣な意図が明らかになり、香港特区はいわゆる『制裁』を冷笑する」と皮肉った。

香港大律師公会(法廷弁護士協会)は「何者かが香港の司法制度に干渉しようとするのはこれで3度目だ」と述べ、香港の裁判官、司法従事者、法律実務家に制裁を加えようとする者は誰だろうと強く非難すると改めて表明。同協会は「香港の裁判官に全幅の信頼を寄せており、司法の独立は基本法によって保護されているだけでなく、香港の裁判官の合理的な期待にも沿っており、裁判官がこれまでと同様に政治から独立して活動し続けると信じている」とコメントした。

香港律師会(事務弁護士協会)もまた「司法の運営に干渉したり、法の支配、司法の独立、検察や政府の統治の誠実性に異議を唱えようとするあらゆる試みを強く非難し、特定の問題を処理するよう割り当てられた人々に制裁を課そうとするあらゆる試みを強く非難する。裁判官、検察官、政府職員による圧力は、法の支配と司法、検察、政府のガバナンスの完全性に対する侮辱である」と譴責した。

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