鉄道の障害者割引、制度変更訴え 久慈出身・劇作家山口健志さん

鉄道の障害者割引制度の見直しを要望している山口健志さん。「誰もが尊重される社会になってほしい」と訴える=川崎市

 【東京支社】「誰もが尊重される社会実現のため、制度の変更を」。久慈市出身の劇作家山口健志さん(38)=川崎市=は、鉄道の障害者割引制度の見直しを求める活動をしている。JRや主な私鉄の現行制度では、障害者が1人で乗車する場合は距離が100キロを超えなければ割引が適用されない。左半身まひや高次脳機能障害がある山口さんは、70年以上前の不可解なルールが踏襲されている現状に疑問を抱き、3万筆以上の署名を集めて国土交通省に提出した。関係団体とも協力し、取り組みを続けていく。

 山口さんは10月27日、関係団体の代表らと国交省を訪問。全国からオンラインで届いた署名を担当者に手渡した。障害者の自立支援の重要性が高まっている社会の中で、旧態依然とした制度の矛盾を訴えた。

 JRや私鉄には「当事者と介護者の運賃を半額にする」などの障害者割引があるが、一部を除いて▽100キロ以内は介護者の同伴が必要▽精神障害者や第2種障害者は対象外―などの条件が設けられ、利用範囲や対象が制限されている。

 国交省などによると、1952年に旧国鉄が導入した制度が土台で、今も踏襲されているとみられる。

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