弘南鉄道弘南線(青森県)、43日ぶりに全線運転再開 2024年3月まで減便ダイヤ

到着した列車から降り、ホームを進む利用客=7日午前8時過ぎ、黒石駅

 弘南鉄道(本社青森県平川市)は7日、弘南線(弘前-黒石)全線で運転を再開した。レール補修などのための運休から43日ぶりの全線再開に、利用客からは「やっと乗り換えしないで目的地に行ける」などと歓迎の声が聞かれた。

 同社の弘南線と大鰐線(大鰐-中央弘前)は、いずれもレールに基準値を超える摩耗が見つかったため、9月25日から運休し、代行バスを運行。弘南線は、10月26日から弘前-田んぼアート間で運転を再開した。来年3月までは、レール不具合とは別に変電施設の機器更新のため、上下計10本を減便した特別ダイヤで運行する。

 7日の黒石駅は、午前6時台の列車から通勤通学客が次々と乗車。午前7時10分発には約80人が乗り込み、弘前から到着の列車からも多くの乗客が降り立ち通学先などへ向かった。

 弘前実業高校3年の三浦真菜さんは「これまでは田んぼアート駅まで送り迎えしてもらっていたので、家族に申し訳なかった。時間が多くかかって大変だったので、再開してうれしい」、黒石高校1年の女子生徒は「乗り換えしなくてよくなり楽になった。もう運休しないでほしい」と話した。

 中には、特別ダイヤでの運行を知らずに駅に来た利用客もおり、「次の列車だと学校に間に合わない」と、家族に迎えに来てもらい弘前へと向かった。

 大鰐線は一部区間(区間は未定)で11月中旬、全線で12月上旬の運転再開を目指している。

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