「アーセナルやリバプールの声明は危険」相次ぐクラブからの審判団批判をネビル氏は危惧「彼らを保護しなければ」

ニューカッスル戦後、審判への不満を爆発させたミケル・アルテタ監督[写真:Getty Images]

元イングランド代表DFのギャリー・ネビル氏は、相次ぐ審判団への批判に対して警鐘を鳴らした。

今シーズンは定期的に誤審が話題となるプレミアリーグ。大きなものではプレミアリーグ第7節のトッテナムvsリバプールで、主審とVARのコミュニケーションミスからオンサイドをオフサイド判定にしてしまうミスがあり、プロ審判協会(PGMOL)がすぐさま誤審を認めたもののリバプールが音声データの公開を要求する声明を出すなど、大きな騒動に発展した。

また、プレミアリーグ第10節で行われたウォルバーハンプトンvsニューカッスル戦でも疑惑のPK判定があり、主審を務めたアンソニー・テイラー氏は今節チャンピオンシップ(イングランド2部)で笛を吹くことに。クラブやファンの審判団へ向ける疑念は強まる一方になっている。

そんな中で、4日に行われたプレミアリーグ第11節のニューカッスルvsアーセナルでは、新たな疑惑の判定が発生。試合は63分にMFアンソニー・ゴードンが決めた得点を守り切りニューカッスルが勝利したが、この得点時の判定が議論の的に。クロスを上げたMFジョー・ウィロックが残したボールはラインを割っていないか、MFジョエリントンにプッシングはなかったか、ゴードンにオフサイドはなかったかがVARでチェックされたが、いずれも問題ないとしてゴールが認められた。

アーセナルのミケル・アルテタ監督はこの判定に激怒しており、試合後には「恥ずべきことだ」と審判団を糾弾。クラブも指揮官を支持する声明を出し、PGMOLに改善を要求している。

しかし、ネビル氏はイギリス『スカイ・スポーツ』でクラブのこうした行動を批判。試合後の指揮官が感情的になること自体は理解を示しつつ、クラブ全体がそれに追随する現在の風潮は危険であり、リーグとして対処すべきだと指摘した。

「アーセナルの声明は本当にお粗末だ。これは数週間前のリバプールの時も同じことを思ったがね。リバプールは数週間前のトッテナム戦でショッキングな出来事があった。我々も判定が間違っていると理解していたし、大変な事態になったと思っていたよ。だが、その翌日に彼らがあらゆる選択肢を検討していると述べ、再試合の可能性を示唆する声明を出したとき、私はかなり危険だと感じた」

「今回のアーセナルの声明も非常に危険だ。私は審判にプレッシャーをかけるべきではないとか、ミケル・アルテタや他の監督が試合終了時に不満を感じるなと言いたいのではない。私が言いたいのは、こうした状況でクラブとしてはより適切に行動する必要があるということだ」

「私は今、プレミアリーグやその指導者たちに注目している。彼らは審判を保護しなければならない。そして他クラブは、こうした声明を出すクラブを正さなければならないだろう。こうした声明を出すアイデアは未知の領域だ」

「私はアルテタが土曜日に失態を演じたと思うが、それ自体は感情的になっていたのだろう。彼は日曜日の理事会を前に私を支持してくれと言っているようなものだったが、クラブはそれに乗っかってしまった」

「アーセナルは巨大な歴史を持つ、偉大で素晴らしいフットボールクラブだ。彼らはもっとうまく振る舞うべきであり、あの声明を許可したのが誰であれ、数年後には失望を感じるだろう」

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