陸奥湾ホタテ(青森県)、高水温被害は 実態調査始まる 12月までに結果

採取したホタテを選別する関係者=6日午前、青森市の後潟漁港

 陸奥湾の養殖ホタテガイの秋季実態調査が6日、湾内各地で始まった。今夏の記録的な猛暑による高水温で、湾内の複数漁協からホタテ稚貝の大量死が報告される中、同日は青森市、むつ市、平内町、蓬田村の計8カ所で調査を実施。死んだホタテの割合などを確認した。

 調査は湾内10漁協、県、市町村などが毎年春と秋に実施している。

 このうち青森市の後潟漁協では、漁協や青森産技センター水産総合研究所(水総研)の職員らが漁船に乗り込み、今年生まれたばかりの稚貝と2022年生まれの新貝を沖合の養殖施設から採取。帰港後、貝殻の大きさや重さなどを調べた。

 取材に応じた山口隆治組合長によると、同日採取した稚貝の約4割、半成貝の2~3割が死んでいたという。このうち稚貝について水総研の担当者は、殻のサイズから夏ごろに死んだとみられると分析した。

 今回採取したホタテは、高水温の影響を比較的受けにくい深さ36~37メートルほどに沈めていたという。養殖施設の水深などにより被害の差はあるが、山口組合長は、漁協全体でホタテの半数が高水温で死んだとの感触があると言い、「中には全滅に近い被害を受けた漁業者もいる。残った貝を大事にしたい」と話した。

 調査は10日まで行われ、県が12月までに結果を取りまとめる見通し。

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