女子駅伝7連覇・名城大、陰に弘前大の体ケア支援あり 医療サポートチーム、2010年から検診

2017年の名城大学女子駅伝部優勝祝賀会で米田監督(中)と写真に納まる、サポートチームの佐々木講師(左)と藤田有紀医師(佐々木講師提供)
佐々木講師らサポートチームが名城大学女子駅伝部で行っている検診の様子=2022年、名古屋市(佐々木講師提供)

 10月29日に行われた全日本大学女子駅伝(仙台市)で前人未到の7連覇を果たした名城大学女子駅伝部(名古屋市、米田勝朗監督)。その活躍をきめ細かな検診による体調管理で支えたのが、弘前大学大学院整形外科学講座の佐々木栄嗣講師(41)ら医師4人でつくる、医療サポートチームだった。

 サポートチームと駅伝部の連携は、アスリートの健康状態のケアを研究している弘大医学部社会医学講座(中路重之特任教授)などに、米田監督がサポートを依頼し、2010年から始まった。

 当時の駅伝部は、同大会で毎年表彰台に上がる一方、部員約20人のうち、足首や腰を疲労骨折する選手が年に3、4人出るなど、けが人が多かった。米田監督は当時の状況を「練習量に対して体のケアができていなかった。選手の健康状態を相談できる人もいなかった」と振り返る。

 サポートチームは名古屋市内にある駅伝部の寮に出向き、けがをする選手の血液や骨密度を調べた。無理に体重を減らすことで貧血やホルモンバランスの乱れを起こし、けがにつながっていると分析。医師の立場から選手に休養を促したり、けがをしないための体のケアを指導したりした。

 同大会で05年以来の頂点に立った17年から22年までは、貧血で走れなくなる選手も、疲労骨折する選手も出なかった。米田監督は「選手のコンディションをきめ細かく見てもらい、安心して練習できている。ありがたく、これからも長く支援してもらいたい」と感謝を述べる。

 今年で14年目となる駅伝部の検診。仕事の合間を縫い、合宿や大会前後の年6回行っている。佐々木講師は「選手のひたむきに競技に打ち込む姿がサポートチームに力を与えている」と言い切り、近年はより簡単な検査方法開発に力を注いでいる。「選手が次の日もたくさん練習できるようにケアを続けたい」と笑顔で話した。

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