司法長官、中国人はのび太ではない

米議会議員らは、林定国・司法長官らを含む香港の判事、検察官、政府職員、その他の法執行当局者49人を制裁リストに含めるよう米政府に求める立法手続きを提案した。11月5日付香港各紙によると、李家超・行政長官は4日、「可能な限り最も強い言葉で譴責する」と述べ、この行為の目的は判決に影響を与え、司法を妨害するための脅迫だと指摘した。

李長官は4日、記者団と会談した際、香港の裁判官、検察官、当局者らに対する「制裁」を求める米国の議員らの提案があったと述べ、これらの行為は明らかに裁判官、検察官、当局者への威嚇を目的としたものであると指摘し、最も強い言葉で非難。「裁判や判決は公正かつ公平に行われ、この行為は重大な司法妨害である。法の支配に違反するだけでなく、米国が主張する憲法によって保障された司法の独立にも違反する」と述べた。

制裁対象に挙げられた林長官は4日のラジオ番組で、「制裁を恐れることはない」と述べ、特区政府、司法機関、法律団体は一致して米議員らの行為を非難し、法務関係者らは今後も引き続き法の支配を遵守すると言及。林長官は、退職裁判官や外部法廷弁護士をリストに加えたことは、米議員が司法職員に「恐怖」を与え、特区政府で働くことに関心のある法律関係者が委任を受けるのを阻止したいと考えているとの見方を示した。林長官は米国の政治家を漫画『ドラえもん』のキャラクター「ジャイアン」に例え、自身やリスト上の者、それに中国人はジャイアンによくいじめられる「のび太」ではないし、いじめられることに甘んじないと述べた。

林長官はまた「香港版国家安全法」案件を陪審裁判ではなく3人の裁判官が共同審理することは秘密裁判とは言えないと指摘し、裁判官は公開審理で行われると強調。また番組内で基本法第23条の立法にも言及し、第23条の立法を完了することは特区の憲法上の責任であり、「香港に対する宿題」であると述べた。1年内に完了することを目指して、法律の基準は現在および将来発生する可能性のある国家安全保障上のリスクに効果的に対処できることを保証するという。また、第23条は懲罰的規定ではなく保護的規定であり、基本法の関連規定を遵守し、香港市民の権利と自由の尊重を確保するものと強調。「普通に生活している一般市民は心配する必要はない」と述べた。

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