「走る電化製品というイメージ」燃料費安い電気自動車に注目 中国発“世界シェア2位”メーカーが静岡に進出…課題も

みなさんは自動車を買うとき、何をポイントに選びますか。物価が高騰する中、ガソリンと比べて燃料費が安い電気自動車や新車と比べて車体価格が抑えられる中古車が注目されている一方で、課題も浮かび上がってきました。

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<井手春希キャスター>
「この電気自動車、大きくてかっこいいですね。初めてみるメーカーの車なんですが、これはどこの車なんですか?」

<BYDAUTO静岡 望月瑛店長>
「中国のBYDという電気自動車を作っている会社です」

10月20日に、静岡市の中心街にオープンした「BYDAUTO静岡」。バッテリーを作っていた中国の会社が約20年前から電気自動車を作り始め、ここ数年で急激にシェアを拡大。アメリカのテスラに続き、世界2位のシェアを誇ります。

店舗は、全国で14店舗目。静岡県内でも浜松と沼津に今後、順次オープンする予定です。

<COOL THE EARTH 川島広己社長>
「現状は、中国の商品ということで、若干、ネガティブ面で見られることがあるが、電気自動車の世界においても、正しく理解をいただいて、とても安全で、高性能な自動車だと認知していただきたい」

ガソリンの車と何が違うのか、実際に運転しました。

<BYDAUTO静岡 望月瑛店長>
「電源が入りました」

<井手春希キャスター>
「静かです」
「電気自動車に乗るのは初めてですが、すごく静かですね」

<望月店長>
「電気自動車なので、エンジンがない分、すごく静か」

<井手キャスター>
「乗っているのか、忘れちゃうくらい」

<望月店長>
「走る電化製品というイメージ」

一般的な電気自動車は、重さが2トンを超えますが、この車は、およそ1.7トン。軽量化することで燃費がよく、乗り心地もスムーズになります。

<井手キャスター>
「電気代は?」

<望月店長>
「ガソリン車と比べると、リッター10キロの車に乗って、月1,000キロ走ったと仮定すると(ガソリン価格が)170円だとすると、月に100リットル使って、1万7,000円。電気自動車の場合は、キロワット当たりの金額は家庭ごとに違うが、夜間安い時間帯だと、18円くらいだったりするので月1,000キロ、この車で走ると2,000円~2,500円くらい」

今後、国が補助金を使って充電する施設を増やす予定ですが、まだまだ場所が限られるなどの課題が残ります。

一方、中古車市場は厳しい状況に直面しています。帝国データバンクによりますと、中古車販売店が倒産した件数は、2023年9月までに57件に上っていて、2022年の52件をすでに上回っています。

2022年の「中古車バブル」によって価格が高騰。ただ、他店との価格競争によって、仕入れ金額よりも販売価格が低くなり、経営を圧迫しているのが要因とされています。

<カーサポート 小野田泰祐社長>
「このアルファードだと、2022年だと、いまの価格よりも100万円高かった。いま、この値段でも売れるか…」

これに追い打ちをかけるように、中古車販売店は業界大手の不正が相次いで発覚し、世間からの風当たりが強くなっています。

小野田さんの店でも新規の来店客が、2022年と比べると3割ほど落ち込んでいます。

そんな中、10月から中古車の販売のルールが変更されました。

<カーサポート 小野田泰祐社長>
「10月1日から、総額表示が徹底されて、車両本体価格、そして諸費用をちゃんと記載したうえで、総額表示をお客さんに分かるように提示する形になっている」

総額表示によって、買う側は購入する際、どれくらいの費用がかかるのか明確になりました。

静岡経済研究所によりますと、現在、日本ではハイブリット車が主流。一方、中国では2022年、電気自動車が年間で、500万台販売されています。

今後は、日本でも購入時の補助金などにより、電気自動車は増加する見込みですが、その一方で、充電施設と電力の確保が今後の課題となっているということです。

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