金沢競馬「薄暮レース」定着図る マジックアワーで売り上げ1割増

「マジックアワーチャレンジ」として、日没後に行われたレース=5日、金沢競馬場

  ●今秋から本格化/照明導入が効果

 走路照明を新設した金沢競馬場で今秋から「薄暮レース」が本格的に始まった。1日当たりの売り上げは前年同時期に比べて1割以上増えており、照明導入の効果が表れている。石川県競馬事業局は日没後のレースを「マジックアワーチャレンジ」と命名、呼び名の定着とファンの拡大を目指す。

 金沢競馬場の走路照明は22基が3月に完成した。日暮れが早い秋から冬にかけてもレースが可能となり、県競馬事業局は来年3月までに100本ほどを予定している。

 薄暮レースは午後4時半以降で、夕焼けがより美しく見える時間帯を意味するマジックアワーにちなんで「マジックアワーチャレンジ」と名付け、10月は計17レースを実施した。

 10月の売得額は、昨年は9日間で約27億8500万円、今年は10日間で約37億3700万円で、1日当たり約1割増となっている。

 日没後のレースはファンから「仕事の帰りに寄ることができる」「ナイター競馬と変わらない」と好評だ。

 実際、5日に行われた金沢伝統の重賞・北國王冠(北國新聞社後援)は、昨年は午後4時10分の発走だったが、今年は午後6時15分からとなり、多くのファンがスタンドに残ってレースを見守った。

 同日の入場者は3092人を数え、「ウマ娘」とのコラボイベントがあった10月22日を除いて今秋最多となった。売得額は昨年を大幅に上回る約3億9千万円となり、中央競馬のレース終了後に全国のファンからネット投票を集めたとみられる。

 県営金沢競馬の今年度上半期(4~9月)の売り上げは前年同期比4.5%増の163億6718万円で、比較できる2014年度以降で最高となった。県競馬事業局は「薄暮レースが順調に推移しており、好調を維持していきたい」としている。

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