介護福祉科存続へ署名を 1万筆目前、到達で提出 県立高再編巡り芳賀郡市医師会

県教委が入るビル

 栃木県教委の第3期県立高校再編計画案を巡り、芳賀郡市医師会は計画案に廃止が盛り込まれた真岡北陵高介護福祉科の存続を求める署名活動を展開している。開始から1カ月余りの7日現在、9800筆を超えており、目標の1万筆に達し次第、県教委に提出する。

 計画案には2026年度に同科の募集を停止し、益子芳星高に福祉コースを設ける内容が入っている。医師会は、介護福祉科と比べ福祉コースは介護福祉士の資格を取得するまでの年数が長くなると見込まれることや、県央地区の介護サービスを担う人材育成の拠点としての真岡北陵高の役割を重く見ている。

 医師会会員には地域の介護老人保健施設に関わっている医師も多く、中核病院である芳賀赤十字病院にも同校の卒業生が就職していることなどから、計画案に対し、医師会内で危機感を訴える声が上がった。より切実な声を届けるため、要望書よりもさらに労力をかけて1万筆を目指して署名を集めることにした。

 高野浩(たかのひろし)会長(62)は「会員の多くの医師も含め、地域の医療、福祉関係者らの危機意識は非常に強い。将来を見据え、存続への思いを県教委に届けたい」と強調する。9月下旬に署名活動を始めると予想以上の速さで集まっている。小西喜美子(こにしきみこ)事務長(69)は「介護の仕事の大変さへの理解と、将来的な地域の介護サービス維持に対する不安の表れ」と話す。

 すでに真岡市や市議会、県老人福祉施設協議会が、存続を求める要望書や意見書を県教委に提出している。

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