歓喜が冷めない

 どおおって地鳴りみたいに歓声が浜風に乗って、うーん、どう言ったらいいかな…ビール飲んでたから上手く言えないんですけど-。大丈夫、別の何かに例えられないもののために「独特」という言葉はあるのだ。5年勤務した大阪支社時代に虎の洗礼を浴びまして、と話すのはメディアビジネス局の同僚ウチノ君▲隣の隣の席のサカイ君は大学まで野球部員。プレーヤーとしての原点の記憶は黒と黄色の野球帽で、少年時代の愛読書は球団発行の「月刊タイガース」という筋金入り▲前のリーグ優勝の時の記念ボトルがいよいよ開封の時を迎えるらしい。「大丈夫ですかねえ、味は」-色の変わりかけた白ワイン、きっとラベルの虎も苦笑いだ。がお▲きょうは立冬。38年ぶりの日本一の歓喜から何日か過ぎ、暦が冬を告げても興奮と笑顔がなかなか冷めない。少し探しただけで身近にも見つかりました熱い阪神ファン▲昨日のスポーツ面には、ヘッドコーチとして岡田彰布監督を隣で支えた平田勝男さんの記事があった。出身は松浦市、サッシーこと酒井圭一さんの1学年下で遊撃手として甲子園の土を踏んだ海星高時代の姿をご記憶のファンもおられるだろう▲指揮官と選手を巧みにつないだパイプ役の手腕が絶賛されている。長崎のトラ党も鼻が高いはずだ。(智)

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