廃虚の美しさ感じて 佐世保・針尾送信所で写真展 12日まで

人の手を離れた建物の写真などが並ぶ針尾送信所の電信室=佐世保市針尾中町

 役割を終え、朽ちていく建物の写真などが並ぶ「佐世保廃墟倶楽部写真展2023」が、佐世保市針尾中町の旧佐世保無線電信所(針尾送信所)の電信室で開かれている。12日まで。無料。
 同倶楽部と市の共催。針尾送信所の廃虚としての魅力や歴史を五感で体感しつつ展示写真も味わってもらうことで、廃虚の美しさやはかなさ、先人の思いを感じてもらおうと開いた。
 会場にはメンバーたちの渾身(こんしん)の作品約60点を展示。送信所の無線塔の外観や内部の写真に加え、県内外で撮影した戦争遺構や、机、椅子などが放置されたまま朽ちた建物内部など、各メンバーが思う風化の美を捉えた写真が並ぶ。メンバーの近藤雅彦さん(46)は「写真展は“体験型美術館”になっている。針尾送信所や写真の被写体から推察できる当時の営みに思いをはせながら楽しんでほしい」と来場を呼びかけている。
 午前9時~午後4時まで。12日午後1時から同倶楽部メンバーによる「廃虚の魅力について」のトークショーがある。問い合わせは近藤さん(電080.1738.9750)。

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