初の来園者参加型避難訓練 那須どうぶつ王国で「トラが園内逃走中」 100人が協力

捕獲したトラの縫いぐるみを輸送用の箱に入れる職員ら

 【那須】大島の那須どうぶつ王国は7日、猛獣の脱走に備えた来園者参加型の避難訓練を初めて実施した。職員約60人が参加し、約100人の来園者が協力した。

 訓練は、同園で飼育する体長約2メートル、体重約200キロのアムールトラ1頭が獣舎から園内に脱走したとの想定で実施した。台車に載せたトラの縫いぐるみが動き始めたのを合図に、「トラが園内逃走中」などと園内放送を流して緊急事態であることを周知。職員が来園者を最寄りの建物内へ誘導し、避難させた。

 その後、獣医師が車でトラに近づき、車内から麻酔銃を発射。トラが眠ったのを確認した上で、職員が連携し網を使って確保した。トラは輸送用の箱に入れられ、獣舎に戻された。

 同園の鈴木和也(すずきかずや)副社長(62)は「課題もあったが、客と職員の安全を確保して実施できたことは収穫。何度も訓練を継続していきたい」と話した。

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