イノシシ肉の「ししまるカレー」 マラソン大会で初めて販売へ 協力隊・須藤さんと馬頭高生が開発進める

煮込んだイノシシ肉とルーを混ぜる試作中の須藤さん

 栃木県の那珂川町地域おこし協力隊の富山、須藤(すどう)ゆうさん(40)が馬頭高生と連携し、イノシシ肉を使ったカレー「ししまるカレー」の開発を進めている。町内には県内唯一のイノシシ肉加工施設があり、「施設の高い加工技術を伝えたい」と意気込む須藤さん。12日に開かれる第2回なかがわ清流マラソン大会で初めて販売する。

 須藤さんは三重県出身。元益子町地域おこし協力隊員で、農産物の加工などの経験がある。那珂川町が食や農に関する分野で協力隊を募集していたことをきっかけに2022年4月に着任した。

 同施設で加工されたイノシシ肉を「獣臭くなく、食べやすい」と評する須藤さん。食品加工の経験を生かし、脂分が少なく用途が限られるすね肉や肩肉を使った商品開発に取り組むことを決めた。イノシシ肉を使ったカレーの開発をすでに進めていた馬頭高生とつながった今年5月以降、レシピの改良へアイデアをもらうなど、連携を深めた。

 大会で販売するカレーは辛さ控えめで、同施設で加工された千葉県産のイノシシ肉とタマネギのみを具にする。肉はニンニクとショウガ、イノシシの脂で炒めて風味を付け、煮込む。うま味を追加するため、この煮汁の一部はルーに使うなど、イノシシづくしだ。

 10月24日に実施した試作では、塩味の微調整にこだわった。須藤さんは「イノシシ肉のおいしさや町の加工施設を知ってもらうため、納得できる品を作り上げたい」と話した。

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