青森県内各地で強風 八戸市29.3m、弘前市は11月の観測史上最大 一部でリンゴ落果も

強風で落ちたリンゴを拾い集める農家の女性。「明日収穫予定だったのに…」と声を落とす=7日午後3時ごろ、弘前市悪戸
高波に洗われる防波堤の突端(写真奥)=7日午後3時31分、鯵ケ沢町の赤石漁港

 7日の青森県内は、前線を伴った低気圧の影響で大気の状態が非常に不安定となり、八戸市では最大瞬間風速29.3メートルを記録するなど全域で強い西寄りの風が吹き荒れる一日となった。

 青森地方気象台によると、7日午後6時までの最大瞬間風速は青森27.7メートル、大間26.2メートル、外ケ浜町蟹田26.0メートルなど。23.1メートルを観測した青森大谷、20.7メートルの弘前と平川市碇ケ関は11月の観測史上最大だった。

 ふじなど晩生種のリンゴが収穫最盛期を迎えている弘前市の悪戸地区では、一部の園地で落果が発生。実を拾い集めていた女性(68)は「背の低い木の実はかなり落ちた。明日収穫予定だったから色も良かったのに」と声を落とした。市りんご課は状況を調査中としているが、すでに収穫を終えた園地もあり、被害は限定的とみられる。

 同市や大鰐町、藤崎町では倒木や屋根のトタンが剥がれる被害も確認された。県防災危機管理課は7日午後5時現在、強風による主な被害の情報は入っていないとしている。

 JR青森支店によると、五能線の向能代(秋田県能代市)-鯵ケ沢間の強風で上下計10本が運休・区間運休したほか、2本に最大100分の遅れが発生。青い森鉄道も普通列車上下計3本に運休と遅れが生じたほか、弘南鉄道弘南線も倒木により一部運休した。東北電力ネットワークによると、7日午後1時ごろから十和田市、三戸町、田子町、南部町の計約1600戸が停電し、同6時半ごろまでに全て復旧した。

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