インフルエンザ“一度かかっても”ワクチンは打った方がいい? 例年よりも早い流行 専門家に聞いた

日本では例年、12月から3月が流行シーズンとなる“季節性インフルエンザ”。一般的な風邪の症状に加え、38度以上の発熱や頭痛、関節痛、筋肉痛などが比較的急速に現れます。

重症化する場合もあるため、高齢者や子どもは特に注意が必要です。

しかし、今年はすでに10月に愛知県と岐阜県で「インフルエンザ注意報」が発令され、休校、学年、学級閉鎖の措置をとった愛知の公立の小中学校や高校は、10月30日から11月5日までの1週間で158校。

岐阜は、7日時点で84校。三重は51校が学級閉鎖や学年閉鎖に。

名古屋市中区の病院にお邪魔すると、10月上旬から1日平均10人程が発熱の症状を訴えて来院。そのうち半数以上が、インフルエンザだったといいます。8日、診察に訪れていた20代の女性は発熱や寒気、倦怠感を訴え検査したところ…

(山川内科・清水周哉院長)
「A型のインフルエンザが出ているんですね。うっすらですけど、Aの方に線があって」

また、30代の男性は…

(看護師)
「症状はどうですか?」
(患者)
「鼻水、喉、せき、頭痛という感じです。あと熱も」

検査の結果、インフルエンザでした。

インフルエンザに一度かかっても“ワクチン”は打った方がいいの?

病院で高まる緊張感。今年は例年と比べ大きく違うといいます。

(山川内科・清水周哉院長)
「大体12月から2月、3月ぐらいまでが(インフルエンザの)ピークで、患者さんも多いが、今の状況では、例年(のピーク)と同じぐらいの患者さんが来ています」

急速に患者が増えている原因は…

(山川内科・清水周哉院長)
「ここ数年、インフルエンザの患者が少なかった。インフルエンザに対する抗体が少なくなっていて。なおかつコロナが5類に変わって、マスクを外す機会が多くなって、感染もしやすくなってる」

この病院では、8日午前の検査でインフルエンザと判明したのは、発熱患者6人中5人でした。

厚生労働省によると通常、大人は1回のワクチン接種でも十分な抗体の増加が期待できますが、13歳未満は2回接種が推奨されています。

ワクチン接種後抗体ができるまでに2週間程かかり、その後約3か月から5か月の間、効果は持続します。完全にインフルエンザを予防できるとは言い切れませんが、清水院長は発症予防率は、60%から70%は期待できると言います。

そこで、今シーズンワクチン接種をしないうちに、インフルエンザにかかった人がその後、ワクチンを接種して効果が得られるのかを伺ったところ…

(山川内科・清水周哉院長)
「インフルエンザの中でも、色々な種類があって、A型、B型とかってよくいうが、1つのインフルエンザにかかったとしても、別の種類のインフルエンザにかかることもある。(1回かかったとしても)インフルエンザワクチンを打つ意味はあると思う」

ワクチン接種も効果が認められていますが、あわせて手洗いやうがい、マスクの着用。こまめな室内の喚起。人混みは避けることが有効です。

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