栃木の虎党も日本一に歓喜 宇都宮の祝勝会で響く六甲おろし ファン心理「次は現実的な3連覇」

六甲おろしを歌って日本一を祝う栃虎會の阪神ファン

 【宇都宮】38年ぶりの日本一に輝いたプロ野球の阪神タイガース。関西を中心に虎フィーバーに沸いているが、県内でもささやかな祝勝会が開かれた。県内のファンでつくる「栃虎會(とちとらかい)」もその一つ。ファン歴70年の神山一夫(かみやまかずお)会長(81)=五代1丁目=は「阪神ファンは勝っても負けても、阪神一筋。最下位になっても頑張って応援してきた。だから日本一はうれしい」と喜びをかみ締める。

 栃虎會の正式名称は「阪神タイガースを応援する栃木県連絡会」。2003年のリーグ優勝を目前に発足した。会員は20~90代の約50人。仕事などで関西出身のファンが関東で暮らすことも珍しくない中、会員の大半が県内生まれだ。

 神山さんも、生まれも育ちも宇都宮の「宮っ子」。小学生の頃、阪神の当時の本塁打王・藤村富美男(ふじむらふみお)に憧れてファンになった。同級生は皆、スター選手をそろえる巨人を応援し、阪神ファンは2人だけ。冬になると「雪合戦で阪神ファンが狙われた」。それでも阪神一筋を貫いた。今や、子や孫も阪神ファンだ。

 同じく宮っ子の稲見稔夫(いなみとしお)さん(79)=西川田南1丁目=も、子どもの頃から阪神ファン。熱狂的な父に影響されたという。「なんでだろう。判官びいきみたいなところがあるのかな」。関東生まれで阪神を応援する理由をそう想像する。

 1985年以来、2度目の日本一を見届けた会員たちは6日夜、市内でささやかな祝勝会を開いた。神山さんは「常勝軍団になり、黄金期の巨人のV9を超えるV10を目指してほしいけれど、まずは現実的な3連覇を目標に後押ししていきたい」と意気込む。

日本一を祝う栃虎會の阪神ファン

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