10人ユナイテッドが金星献上で最下位転落…17歳新鋭決勝弾で逆転のコペンハーゲンが2位浮上【CL】

[写真:Getty Images]

チャンピオンズリーグ(CL)のグループA第4節、コペンハーゲンvsマンチェスター・ユナイテッドが8日にパルケン・スタジアムで行われ、ホームのコペンハーゲンが4-3で勝利した。

前節、マグワイアの今シーズン初ゴールと後半ラストプレーでの守護神オナナのPKストップによって、グループステージ初勝利と共に3位浮上となったユナイテッド。連勝での2位浮上を目指す今節は最下位のコペンハーゲンとのリターンレグに臨んだ。

直近のフルアム戦をブルーノ・フェルナンデスの土壇場ゴールで競り勝ち、公式戦連敗をストップしたテン・ハグのチームは、その試合から先発1人を変更。アントニーに代えてラッシュフォードを復帰させた。

試合は開始早々に主役の一人が見せる。開始3分、ラッシュフォード、ワン=ビサカのコンビで右サイドを押し込むと、マクトミネイが絶妙なタイミングでポケットに走り込んでGKとディフェンスラインの間へ高速クロスを供給。これをファーに走り込んだホイルンドが左足で押し込み、古巣相手に恩返しゴールを記録した。

早い時間帯にスコアが動いたことで、ここからホームチームが反撃に打って出ると、ユナイテッドにアクシデントが発生。筋肉系のトラブルかエバンスがプレー続行不可能となり、16分にヴァランがスクランブル投入される。

この負傷交代に加えて、スタンドで倒れた観客への治療などによって幾度か短い中断が入り、ややふわふわした状況が続く。しかし、その中でしっかりと集中を研ぎ澄ませていたアウェイチームが追加点を奪う。

28分、自陣中央でヴァヴロのヘディングパスをうまく引っかけたブルーノ・フェルナンデスが背後のスペースを狙う左のガルナチョへ絶妙なスルーパスを通す。そのままボックス付近まで持ち込んだガルナチョのシュートはGKグラバラの好守にはじき出されるが、ファーでこぼれに反応したホイルンドが冷静に右足で蹴り込んだ。

ホイルンドの見事な2ゴールによって効率よく得点を重ねるユナイテッドは、直後にもショートカウンターからホイルンド、右CKからマグワイアと立て続けにチャンスを作るが、ここはGKグラバラの好守に阻まれた。

以降は一進一退の攻防が続いていたが、今季ここまで波に乗れないチームはここから悪夢の展開を強いられる。まずは39分、自陣ボックス付近で守備対応にあたったラッシュフォードの足裏が不可抗力ながらジェラートの足首を捉えると、オンフィールド・レビューの結果、レッドカードが掲示される。

これで数的優位を得たコペンハーゲンが一気呵成の仕掛けを見せると、45分には右サイド深くでアンカーセンが上げたクロスを大外で浮いたゴンサウヴェスが左足ダイレクトで折り返す。最後はゴール前のエルユヌシが左足ダイレクトで合わせてゴールネットを揺らした。

さらに、13分が加えられた前半アディショナルタイムもコペンハーゲンの攻勢が続くなか、アディショナルタイム9分にはボックス内での競り合いの局面でマグワイアが不運な形でハンドを犯してしまいPK献上。これをキッカーのゴンサウヴェスが冷静に左隅へ蹴り込み、前半の内に2点差を追いついた。

迎えた後半、厳しい状況に立たされたユナイテッドは母国凱旋のエリクセンを諦めてより守備で貢献できるアムラバトをハーフタイム明けに投入。まずは失点回避を最優先にカウンターからの一発に勝機を見いだそうとする。

後半は前半終盤からの流れを踏襲する形でコペンハーゲンがボールを握って押し込む展開が続く。サイドからのクロスに加え、ミドルレンジのシュートを浴びせていくが、ユナイテッドも身体を張った守備でゴールを割らせない。

すると、時間の経過と共にコペンハーゲンが焦れて雑さが出始めると、1人少ないユナイテッドがカウンターとセットプレーという狙いから見事に勝ち越しゴールを奪い切った。

66分、FKからボックス内でマグワイアが競ったボールがレラガーの腕に直撃。一度プレーは流されたが、オンフィールド・レビューの結果、ユナイテッドにPKが与えられる。これをキッカーのブルーノ・フェルナンデスがゴール左上隅に突き刺した。

数的優位を得ながらもホームで勝ち越しを許したコペンハーゲンは続けて攻撃的な選手をピッチに送り込み、ここからよりリスクを冒してゴールを目指す。

早い時間帯の同点ゴールとはならずも、相手陣内でハーフコートゲームを展開すると、力業でゴールをこじ開けた。83分、セットプレーの二次攻撃からボックス左角のファルクが浮き球で上げたクロスを、大外からの絞りでゴール前に飛び出したレラガーがPK献上を払しょくするワンタッチボレーで試合を振り出しに戻す。

これでスタジアムのボルテージがもう一段階上がると、17歳の新鋭が土壇場で大仕事を果たした。87分、ゴール前への長いボールで混戦を作ると、ボックス中央フリーでこぼれに反応したバルダーギがピッチへ叩きつける見事な左足ボレーシュートをゴール右隅へ突き刺し、値千金のCL初ゴールとした。

その後、勝ち点1を持ち帰るために懸命の反撃を試みたユナイテッドだったが、マグワイアを最前線に上げたパワープレーも相手に撥ね返されてしまい、試合はこのままタイムアップ。

この結果、格上相手に金星を挙げたコペンハーゲンが最下位から一気に2位浮上。一方、敗れたユナイテッドはグループステージ3敗目で最下位に転落している。

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