バングラデシュ 長崎市に反戦モニュメント寄贈へ 来年にも平和公園に設置 10年来の計画動く

バングラデシュが寄贈するモニュメントの建設予定地を視察するアーメド大使(右)ら=長崎市、平和公園

 パキスタンからの独立戦争などを経験したバングラデシュが、長崎市に平和を願うモニュメントの寄贈を計画している。シャハブッディン・アーメド駐日大使が7日、平和公園(松山町)の建設予定地を視察。モニュメントには「戦争を嫌い、平和を愛する国としてメッセージを込める」と語った。
 バングラデシュは多くの犠牲者を出した戦争を経て1971年に独立。最貧国の一つに数えられたが、近年は経済成長が続く。近隣のインド、パキスタンは核兵器を保有している。
 長崎市へのモニュメント寄贈は10年ほど前から検討していた。新型コロナ禍などで市側との協議が一時中断していたが、今年に入って再開し、7日はアーメド大使らが鈴木史朗市長と面会。バングラデシュは平和の象徴のハトをモチーフにしたデザインを考案しており、順調に進めば来年の設置を見込んでいる。
 平和公園にはドイツや中国、米セントポール市など国や都市から贈られたモニュメント16基が並ぶ。アーメド大使は「戦争は経済をだめにする。長崎と広島の原爆の記憶を持つ日本は戦争をせず、経済大国になった。バングラデシュも民主主義と開発で良い国にしていきたい」と話した。

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