世間の縮図か?選ぶのは有権者か? 「議会、男女同数に」6割 新人議員アンケート

 下野新聞社が8日までに実施した新人議員アンケートで、約6割の議員が、議会の男女比率は同数に近い方がいいと回答した。4月に行われた統一地方選では女性の躍進が目立ったものの、県内議会の女性議員比率の平均は2割に満たない。ジェンダー平等には程遠く、変革を求める声が相次いだ。

 アンケートは10月中旬、統一選(県議選・10市町議選)で当選した57人を対象に配布し、51人(男性33人、女性18人)が回答した。

 「所属議会の議員の男女比率は同数に近い方がいいと思うか」との問いに、「そう思う」は10人、「どちらかといえばそう思う」は20人だった。女性の約8割(14人)がこう回答したのに対し、男性は約5割(16人)となった。

 理由について聞いたところ、「議会は世間の縮図と考えれば同じ比率が望ましい」「男女共同参画社会と言われる中で、議会だけ男性比率が高いと政策に偏りが出る」などの意見が上がった。

 「妊娠・出産や女性特有の疾病については、女性の意見や経験を反映させることでより実効性のある政策を実現できる」「男女共同参画が進展しない現状を議論する上でも女性の政治参画は必要」などと、女性議員の比率を高めるメリットを訴える意見もあった。

 男女比に加え、高齢者に偏る年齢構成に疑問を抱く意見も複数あった。

 一方、計16人が「あまり思わない」「思わない」と答え、内訳は男性が13人、女性が3人だった。

 「選ぶのは有権者であり、支持を得た者が選ばれる」「実力があれば男女の区別をするべきではない。あえて数合わせするのは良くない」などとして、性別を基準に候補者や議席の一定比率を割り当てる「クオータ制」に懐疑的な意見が寄せられた。

 「地域を案ずる心があれば男性でも女性でも問題ない」など、性別にこだわらず資質と意欲を重視すべきだとの意見も目立った。

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