鳥島近海の軽石、火山噴出物か 地震と津波観測、監視継続

東京・伊豆諸島の鳥島近海で採取された軽石=2日、気象庁

 気象庁は9日、東京・伊豆諸島の鳥島近海で採取した軽石が、最近の火山活動で発生し、鳥島を含む火山帯周辺に分布する火山岩の特徴と似ていることが分かったと発表した。分析した産業技術総合研究所は、この地域にある海底火山の噴出物の可能性があると説明した。気象庁は近海で続いた10月上旬の地震活動や、各地で観測した津波との関連は不明だが、監視を続けるとしている。

 気象庁は10月下旬、鳥島から南西約100キロの海面で軽石を採取。産総研は、表面の壊れやすい構造が残り、角張ったままの石があったことから「数カ月以上漂流していたものとは考えにくい」との見方を示した。

 化学組成は鳥島を含む火山帯「火山フロント」の西に連なるくぼ地に分布する火山岩「流紋岩」と類似。火山活動が確認されている小笠原諸島の「福徳岡ノ場」や「硫黄島」「海徳海山」の噴出物とは異なるという。

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