【中国】爆買いから理性買いに、外資企業が変化指摘[経済]

中国の外資企業は、中国の消費者が近年“理性的”になっているとの見方を示している。はやりの商品や新しい商品をやみくもに爆買いするのではなく、商品のコストパフォーマンスをよく吟味するようになっているとの指摘で、これまで以上に良質な商品を投入する必要があるとみている。第一財経日報(電子版)が伝えた。

5日から上海市で開かれている大型見本市「第6回中国国際輸入博覧会(輸入博)」の参加企業が答えた。

中国の消費市場は所得の増加が鈍っていることに伴い、成長が鈍化しているとされる。参加企業の幹部らも、消費の勢いが以前に比べ低下し、消費者の財布のひもが固くなっているとの考えを持っている。

ただ、品質をよく調べ、コストパフォーマンスの高い商品を買い求める動きは昔よりも強まっているとの指摘が相次いだ。

ドイツ家電メーカーのケルヒャーの幹部は「中国の消費者はより理性的になり、成熟してきた」と表現。真に価値の高い商品、丈夫で使いやすい商品が売れるようになっており、同社の各製品の販売実績を見ても、価格が高くても品質の良い商品は売れていると指摘した。

ドイツ素材メーカーのコベストロの幹部は、中国の消費者が企業の環境面の取り組みも評価するようになってきたと指摘。若者を中心に、環境負荷の低い材料を使っている商品を積極的に購入する人が目立ってきたとの見解を示した。同社は今回の輸入博で環境負荷の低い靴材料に力を入れている。

消費者の理性的な姿勢はアンケート結果にも表れている。米コンサルティング大手のアクセンチュアが今年実施した中国の消費者に対するアンケートによると、「以前に比べ購入量を抑えて質の高い商品を買うようになった」と答えた人は33%。「購入前に十分商品を研究するようになった」との回答は31%となった。

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