山形大農学部が日本酒学、県酒造組合と協力 20日開講、計8回

日本酒学について説明する村山秀樹学部長(左)、仲野益美会長(中央)、小関敏彦特別顧問=鶴岡市・山形大農学部

 山形大農学部(鶴岡市)は県酒造組合(山形市)と協力し、今月20日に「日本酒学」を開講する。県内14高等教育機関でつくる「大学コンソーシアムやまがた」の単位互換科目とし、他大学生も受講しやすいようオンデマンド方式を採用する。本年度は計8回の講座で、幅広い学生に日本酒の文化や歴史を伝える。  9日の同学部記者懇談会で村山秀樹学部長、同組合の仲野益美会長と小関敏彦特別顧問が説明した。1講座90分の動画を配信し、県内の清酒や酒米、醸造現場の状況のほか、こうじ菌や酵母の働き、健康と飲酒の関わりなど日本酒に関する幅広い知識が得られるようにする。  講師は小関氏のほか、山大農学部や県立保健医療大、東北芸術工科大、県工業技術センター、酒造会社の担当者が務める。受講者は山大生50人、同大以外の8人。山大は定員50人に対して309人の応募があったという。リポート提出で評価し、1単位とする。  県内51の酒蔵は気候風土や文化を生かした銘酒を育み、輸出も盛んだ。日本酒学は、海外からも注目される日本酒の知識を教養として身に付けるのが狙い。本県の良さを知ることで若者定着の一助にとの思いもあるという。  村山学部長は「来年度も継続し、将来的にはワイン学の開講も目指したい」と説明。仲野会長は「山形の風土、環境、歴史、文化につながる日本酒からさまざまなことを学んでほしい」、講師選定などに当たった小関特別顧問は「将来的にはテイスティングも実施したい」と語った。

© 株式会社山形新聞社