加賀に複合型アウトレット 温泉駅南地区、28年度開業予定 観光、商業、公共施設など

加賀温泉駅南地区開発基本構想計画のイメージパース

  ●三重のコンサル、市に基本構想計画を提案

 来年3月16日の北陸新幹線敦賀開業を控える加賀市で加賀温泉駅南地区開発構想を進める開発コンサルタント「長工」(三重県四日市市)は9日、加賀市に対し、第1期の観光・商業・公共集客エリアの基本構想計画を提案した。地域密着型ショッピングセンターや広域観光集客型商業施設、産直マーケットなどを複合した「ハイブリッド型アウトレットモール」やホテルなどを整備し、2028年度のオープンを目指す。アウトレットモールの整備は石川県内で初めてとなる。

 長工の田中康雄会長が加賀市役所を訪れ、市関係者や市議らに交通、観光、環境対策、安心・安全、新産業創造、生活の六つの拠点化によるタウンセンターの実現を掲げた基本構想計画を説明し、宮元陸市長に提案書を手渡した。

 基本構想計画によると、第1期エリアの約20ヘクタールは公共交通のハブとなる市のシンボルゾーンと位置付け、関東圏以外で初となるハイブリッド型アウトレットモールなどの商業、観光情報センターや加賀医療センターと連携した長期滞在型医療ツーリズムの観光、公共施設などを誘致する。

  ●26年度に造成着手へ

 計画地は、加賀市医療センター南側の農地約80ヘクタールの一部で、田中会長は「地域創生のモデルにしたい」と説明。第1期エリアについては、26年度の造成着手を目指して企業誘致を進め、山並みの連なる景観を守るため、低層の建物を整備する方針を示した。残り約60ヘクタールの第2期エリアの開発は未定とした。

 田中会長は年明けから、第1期エリアの用地買収の取りまとめに入ると説明した。既存の近隣ショッピングセンターなどが計画に参入してくる可能性についても言及し、地元商店の地元枠も設ける考えを示した。

 会見した田中会長は「加賀温泉駅が完成し、高速道路や空港や港、素晴らしい医療施設もある地域に広域から集客を図り、インバウンドも取り込んでいきたい」と話した。宮元市長は「市で取り組む国家戦略特区の核になり、市の浮沈を懸けた事業になる」と期待を込めた。

加賀温泉駅南地区開発構想の基本構想計画を宮元市長(右)に提出した長工の田中会長=加賀市役所

© 株式会社北國新聞社