元野村証券社長、田淵義久氏死去 91歳、損失補填問題で引責辞任

田淵義久さん

 損失補填問題などで引責辞任した野村証券(現野村ホールディングス)元社長の田淵義久さんが8日、肺炎のため死去した。91歳。岡山県出身。葬儀・告別式は近親者のみで行う。喪主は息子の三樹氏。

 1956年に早稲田大を卒業し、野村証券に入社。中期国債ファンドの開発などに携わった。85年に社長に就任し、証券業界の実力者だった故田淵節也会長と二人三脚で野村証券の経営基盤の強化を進めたが、91年に大口顧客の損失補填や暴力団関係企業との取引問題が発覚して引責辞任した。

 95年の株主総会で取締役への復帰を果たしたが、野村証券による総会屋への利益供与事件を受け、97年に全ての役職から退いた。

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