「ドイツではカフェインへの意識が日本人以上 お抹茶はカフェインの少ないものを用意」 ハノーバー友好提携40周年イベントで広島の武家茶道の世界をアピール 

広島市との姉妹都市提携40周年の記念として、上田宗箇流の茶道の魅力を伝える展覧会が、ドイツ・ハノーバー市で開かれています。

展覧会の開会セレモニーには、広島市の松井市長も参加しました。会場には上田家から初めて海外に持ち出した茶器なども展示されました。一足先に帰国したばかりの上田宗篁 若宗匠に聞きました。

茶道上田宗箇流 上田宗篁若宗匠「国をまたいで展示することのハードルの高さが取り組ませていただいて初めて分かった事だったんですけど、苦労した分本物を向こうに展示で来たというのはやっぱりやってよかったなと」

小林康秀キャスター「そして今回現地にこちらの茶室も再現されましたよね」

5月のG7広島サミットで各国首脳のパートナーたちをもてなした上田和風堂の「鎖の間」を現地に資材を持ち込んで再現しました。鎖で窯をつる武家特有の茶室で、上田家所有の茶道具も並べられました。

上田宗箇流上田宗篁若宗匠「(参加者の反応は?)もうじっと見ているという感じですよね、時折ドイツ語で説明していただきながら見ていただきましたけど非常に興味深く見ていただけたと思います」

そしてお茶もふるまわれました。時間帯は夜だったので、出すお茶も工夫しました。

上田宗箇流上田宗篁若宗匠「カフェインを飲むと夜寝られなくなるというのが、日本人以上に一般的な感覚があるようで、今回はお抹茶はカフェインが少ないお抹茶を用意して持って行った」

訪れた人「とても興味深いです。綺麗にしつらえてあって素敵でした」

上田宗箇流家元・上田宗冏さん「古美術を移動するのがこんなに大変かと思ったのと、お茶席が思った以上にいいものができて、喜ばれて良かったなと思ってます」

姉妹都市交流の中で、ドイツにも上田宗箇流の輪が広がり10箇所ほど稽古場があるということで、当日は20人の現地のお弟子さんも手伝ってくれたそうです。

ハノーバーは第二次世界大戦中、都市の60%が破壊されました。戦禍から復興した広島市とハノーバーの提携は、平和という共通のテーマを発信していると感じています。

上田宗箇流上田宗篁若宗匠「今ものすごく不安定な世の中だからこそ、平和と文化をしっかり発信していけるんじゃないかなと感じましたし、このテーマは変えずに世界に向けて発信していけるといいなと」

この展覧会は12月31日まで続けられています。

© 株式会社中国放送