朝乃山、九州場所を休場 肉離れ回復間に合わず

  ●「痛み取れれば途中出場」

 大相撲の元大関で、東前頭筆頭の朝乃山(29)=本名石橋広暉、富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋=が10日、九州場所(12日初日・福岡国際センター)の休場を決めた。10月28日の秋巡業で負った左ふくらはぎ肉離れの回復が間に合わなかった。福岡市中央区の高砂部屋宿舎での稽古後に取材に応じた朝乃山は「痛みが取れれば、出るつもり」と話し、回復次第で途中出場する意向を示した。

 朝乃山は日本相撲協会に「左腓腹筋(ひふくきん)損傷で3週間の安静加療を要する」との診断書を提出した。休場は7月の名古屋場所以来で10度目となる。新型コロナウイルス対策のガイドライン違反による6場所出場停止を除き、初日からの休場は初めて。

 朝乃山は広島市であった秋巡業のぶつかり稽古で、錦木を押している最中に負傷し、そのまま残る巡業を休場した。その後は福岡に入って、治療に専念していたが、相撲を取る稽古を再開するまでには至らなかった。一方で、稽古場での朝稽古には参加して上半身中心に基礎運動は続けており、途中出場も視野に入れて調整を続ける考えだ。

 7月の名古屋場所中に負った左上腕二頭筋の部分断裂に続く負傷での休場。名古屋場所ではけがで途中休場したが、12日目から再出場し、崖っぷちの状況から無傷の4連勝を収めて勝ち越しをつかみ取った。決して万全な状態ではない中で、高い集中力を発揮し、白星につなげた。

 今場所は平幕最高位の東前頭筆頭に座り、勝ち越せば三役復帰も濃厚。年納めの場所で土俵に立つことができるか、けがの状態も含め、難しい判断となりそうだ。

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