栗駒山須川コース、26年全面開通を目標 専門部会が方針確認

 岩手県の栗駒山火山防災協議会の火山ガス対策専門部会(土井宣夫部会長)は10日、通行止めが続く栗駒山(1626メートル)の須川コースについて2026年度の全面開通を目指す方針を確認した。人体に危険が及ぶ火山ガスの濃度が低下しており、迂回(うかい)路の設置や安全対策を進める。

 県によると、通行止めにした19年度以降、昭和湖付近のガス濃度は年々低下。同年度は人体に危険が及ぶとされる200ppmを28回上回ったが、23年度は最大9ppmを1回観測した程度で、湖水の白濁も落ち着いてきた。

 迂回路は、湖北東の既存ルートから山側に木道を設ける予定。24年度に設計、25年度に着工し、26年度の運用開始を目指す。併せて濃度が高くなった場合に備えて警報システムの設置を計画。湖付近の定点観測を継続し、基準値を超えた際に警報を鳴らすほか、苔花台(たいかだい)や天狗平でも赤色灯で知らせる方向だ。

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