ムバッペがハットトリックのPSGがリーグ5連勝! ランスは伊東純也の幻弾など圧巻ドンナルンマの牙城崩せず…【リーグ・アン】

[写真:Getty Images]

リーグ・アン第12節、スタッド・ランスvsパリ・サンジェルマン(PSG)が11日にスタッド・オーギュスト・ドローヌで行われ、アウェイのPSGが0-3で勝利した。なお、ランスのMF伊東純也はフル出場、FW中村敬斗は負傷欠場となった。

前節、伊東の決勝点によってナントを撃破し、リーグ連勝を飾った4位のランスは、4ポイント差で2位の昨シーズン王者相手に3連勝を狙った。この上位対決で伊東は[5-4-1]の右サイドハーフに入った。

一方、リーグ4連勝中のPSGだが、直近のチャンピオンズリーグ(CL)ではミランに1-2で敗戦し、公式戦6試合ぶりの黒星に。その敗戦からのバウンスバックを図るなか、先発5人を変更。ソレールを右サイドバックに置く超攻撃的な[4-2-4]の布陣を採用した。

注目の上位対決はいきなり動く。開始3分、右サイド深くでデンベレが上げた浮き球のクロスをボックス左でフリーのムバッペが抑えの利いた見事な右足ダイレクトボレーでゴール右隅へ突き刺した。

フランス代表コンビの圧巻コンビプレーによっていきなりのビハインドを背負ったランスだったが、好調の伊東が直後にゴールへ迫る。7分、左サイドのスペースに抜け出したダラミーからのマイナスの折り返しをボックス中央でうまく足元に収めた伊東が右足の正確なシュートをゴール右隅へ流し込んだ。だが、2戦連発かに思われたこのゴールはダラミーのオフサイドを取られて幻となった。

オープンな立ち上がりを経て試合はランスペースで進んでいく。22分にはボックス付近の左サイドで得たFKの場面でキッカーの伊東が意表を突いてニア下を直接狙うが、これはGKドンナルンマの好守に遭う。

前半半ばから終盤にかけてはムバッペ、デンベレの個人技で局面の打開を試みるPSG、コレクティブな戦いでゴールを目指すランスという構図の下で試合が進んでいく。その流れでランスは伊東のミドルシュートや、GKドンナルンマのビルドアップミスを突いた攻撃からチャンスを作るが、決め切れない。40分にも伊東の右CKから生まれたゴール前の混戦でリシャルドソンにビッグチャンスも、右足の枠内シュートはイタリア代表GKの好守に阻まれ、前半の内にゴールをこじ開けられなかった。

何とか1点リードで試合を折り返したPSGはゴンサロ・ラモスを下げてハーフタイム明けにヴィティーニャを投入。一方のランスは前半と同じメンバーで臨んだ。

勢いを持って後半に入ったランスは右サイドの伊東を起点にチャンスを窺うなか、56分には伊東の正確なプレースキックが決定機を創出。だが、ゴール前のアグバドゥのヘディングシュートはGKドンナルンマのビッグセーブに阻まれる。

すると、直後の59分にはPSGの鋭いカウンターが発動。中央から右サイドへスムーズにボールが展開されると、デンベレとのパス交換でボックス右に抜け出したソレールが正確なグラウンダーの折り返しを供給。これをファーに走り込んだムバッペが難なく左足で押し込んだ。

自分たちの決定機直後に失点する厳しい展開となったランスは70分にカドラ、オマル・ディアキテとアタッカーを投入。71分には伊東の右CKからゴール前でこぼれに反応したムネツィが強烈なシュートを放つが、これもGKドンナルンマのビッグセーブに阻まれた。

守護神の再三のビッグセーブで無失点を継続するアウェイチームは、ここから積極的に交代カードを切って攻守のバランスを整える。すると、82分には2点目と同じような形でのカウンターから途中出場のバルコラがボックス右に持ち込んで丁寧なマイナスのパスを入れると、ムバッペが見事な右足のダイレクトシュートをゴール左隅へ突き刺してハットトリックを達成した。

これで試合の大勢が決したなか、最後まで攻撃の手を緩めないPSGはムバッペが貪欲に4点目を狙いに行ったが、GKとの一対一や渾身のミドルシュートは相手の好守やクロスバーに阻まれた。

それでも、終盤はランスの攻撃を危なげなく凌ぎ切ったPSGが敵地で0-3の勝利を収め、ミラン戦の敗戦を払しょくするリーグ5連勝とした。一方、決定力の部分で王者に屈したランスは4試合ぶりの黒星となった。

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