中心部で供給過剰、駐車場適正化へ計画 山形市、年内にも策定

中心市街地のにぎわい創出を目指し、山形市は市営駐車場の多用途化などを検討している=山形市旅篭町2丁目

 山形市は市中心部の駐車場整備などに関する「まちなか駐車場適正化計画」の策定作業を進めている。点在する市営駐車場などの台数は需要を上回っている。小規模店舗の跡地が駐車場となり景観の分断を招くなどの課題もある。新規設置の基準を設け抑制を図るとともに、駐車スペースを活用した催し実施など多目的な利用を促進したい考え。

 市まちづくり政策課によると、七日町大通りやJR山形駅周辺エリアには都市計画に定められた計8カ所の大型駐車場がある。このうち市営は中央(旅篭町2丁目)や山形駅東口(香澄町1丁目)など5カ所で、1970年代から段階的に整備が進められてきた。

 だが郊外型店舗の増加などを背景に、現在は市営駐車場の1日の平均利用率が最大で50%程度、一般の時間貸し駐車場は60%強の場合もあり、供給過剰とも言える状態。2019年度時点で中心市街地には、約2万5千台分の駐車場(事務所の従業員用なども含む)があるという。

 年内に策定予定の適正化計画では、駐車場配置適正化区域を設け、新設する駐車場が一定の広さを超える場合、市への届け出対象とする方針。駐車以外での安全な活用を念頭に、足元に障害物がない構造にするなど、一定の基準をクリアしてもらう意向だ。

 多目的利用の促進では、カーシェアリング事業の拠点や、余剰部分を企業や団体に貸し出しイベントで活用してもらうといった他県の事例を踏まえ、まちなかのにぎわい創出につながる取り組みを推進する。

 現在、都市計画決定されている駐車場整備地区の廃止、関連条例の制定に向け手続きを進めている。市まちづくり政策課は「歩きやすい空間づくりをはじめ、駐車場政策を通し、まちの高質化を後押ししていく」としている。

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