体年齢、血液で見える化 岩手医大の清水教授ら、成果生かし起業

提携クリニックを介した利用イメージ

 岩手医大の清水厚志教授(52)=ゲノム医学=らは、研究成果を生かし同大発のベンチャー企業「エピクロノス」を設立した。少量の血液から生物学的な年齢を「見える化」し、医療機関と連携して生活習慣の改善や疾患予防に役立ててもらう。アンチエイジング(抗老化)への活用や、腎がんの早期発見につながる技術の実用化も視野に入れる。

 清水教授らの研究グループは、生活習慣などの影響を受けて変化する「エピゲノム」を研究している。遺伝子の働きをオン・オフする「スイッチ」のようなもので、東日本大震災の被災地の健康復興につなげる東北メディカル・メガバンク計画のデータを活用し、エピゲノム情報から生物学的な年齢を高精度に推定する手法を確立した。

 同社はその技術を用いて、少量の血液から顧客の生物学的年齢を推定。実年齢と比較した上で、健康維持や生活改善の参考にしてもらう。料金は数万円程度と見込み、来春までに事業を始める予定。提携するクリニックで採血し、分析結果を送り返す仕組みを想定する。

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