震災復興へ、国に提言 北海道東北知事会議・子育て環境整備に向け決議

吉村美栄子知事(左から7人目)らが出席した北海道東北地方知事会議=盛岡市

 北海道東北地方知事会議(会長・達増拓也岩手県知事)が14日、盛岡市のホテルメトロポリタン盛岡ニューウイングで開かれた。東日本大震災からの復興と災害に強い国づくりに向けた提言を取りまとめ、同趣旨の決議と、安心して子育てができる社会の実現を目指す決議を採択した。

 吉村美栄子知事をはじめ東北6県と新潟の県知事らが出席した。震災からの復興に向けた決議は、現在も約3万人が避難生活を送り、福島第1原発の廃炉、処理水の海洋放出への対応といった課題が継続し、新たな課題も顕在化していると指摘。国には被災地の復旧・復興を最優先課題と位置付け、現在の特例的な財政支援や各種制度、必要な人員の確保支援の継続や拡充、強化を求めた。

 子育てに関する決議では、▽社会全体で子育てを応援する機運の醸成▽安心して妊娠・出産できる環境整備▽子育ての経済的負担への支援―などに重点的に取り組むとした。

 吉村知事は、震災復興をテーマにした意見交換で、避難者ニーズを把握するためアンケートと戸別訪問を実施していると説明。「安心して生活できるよう一人一人に寄り添っていく」と述べた。また県庁の食堂で企画している「三陸・常磐産水産物応援デー」を紹介した。

 子育て支援に関しては、0~2歳の保育料が無償化されていない現状を踏まえ「政府が『こども未来戦略方針』を決定した機会を捉え、保育料の完全無償化の早期実現を訴えていく必要がある」と述べた。

 会議ではこのほか16項目の国への提言を確認。本県は「総合的な少子化対策、女性の活躍推進および多様な性的指向・性自認への理解促進」を提起した。

 吉村洋文大阪府知事と公式キャラクター「ミャクミャク」が来場し、2025年大阪・関西万博への協力を要請した。

 来年の会議は宮城県で開く。

© 株式会社山形新聞社