“季節はずれ”の大流行 「プール熱」患者数が過去最多を更新

夏場に流行する咽頭結膜熱、いわゆるプール熱の全国の患者数が過去最多となったことが、国立感染症研究所の発表で明らかとなりました。都内でも増え続けていて、過去最多を更新しています。

プール熱は、アデノウイルスを原因とする感染症で、発熱やのどのはれ、目の充血などが主な症状です。感染力が強く、プールや温泉施設などでの感染もあることから、プール熱と呼ばれています。

国立感染症研究所が11月14日発表した最新のデータによりますと、全国の1医療機関あたりのプール熱の患者数は2.45人となり、現在の方法で集計を始めた1999年以来、過去最多を更新しました。また都内は2.73人で、こちらも過去最多となり、これまでの最多人数だった2006年の1.76人を大幅に上回っています。

過去最多となっている、咽頭結膜熱=通称プール熱の患者数。この表は全国の定点当たりの報告数ですが、線グラフが過去5年間の平均を示したもので、棒グラフで示した今年の数が大きく上回っているのがわかります。

さらに今年は、インフルエンザの患者数も、ピークの時期を前にすでに過去5年間の平均を多く上回っていて、心配な状態です。

改めてプール熱ですが、アデノウイルスを病原体として、主に乳幼児が発症しやすい感染症ですが、大人でもかかります。症状としては、発熱や頭痛、のどの痛みなどで、高熱が5日ほど続くこともあるということです。インフルエンザと違い、特別な治療法やワクチンはなく、アルコール消毒も効きにくいのも特徴です。予防としては、流水とせっけんによる手洗いと、うがい。また感染力が強いため、せきエチケットの徹底も求められています。

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