今年に入って飼育イルカ4頭のうち3頭が死んだ「壱岐イルカパーク&リーゾート」(長崎県壱岐市勝本町)にこのほど、3頭が補充された。市は8日、飼育環境の改善策などを市議に説明した。
市は2頭を購入し、1頭を市外の企業から無償で借りた。動物愛護団体などの反発を考慮し、搬入の日時を非公開とした。
市議会で9月、関連予算を可決した際、死因を究明し問題を改善してから購入するよう要望された。このため市は現地説明会を開き、市議13人が参加した。
指定管理者イキパークマネジメントの高田佳岳代表取締役は、死因について「肝機能の異常だが、その原因は不明」とした。その上で、購入前の健康状態をはじめ、パーク内の水質検査や海底汚泥検査の結果、飼育環境改善策などを報告。「肝臓の異常を発見してから対処していた。これからは日々の観察で違和感を見逃さず、定期的な血液検査以外にも気を配り、対処が後手に回らないよう気を付ける」と述べた。
市議はトレーニングの様子のほか、新しい3頭のいけす、調餌場、エコー検査機器や内視鏡を備えたラボを視察した。
◎3頭の名前を募集 30日まで
壱岐イルカパーク&リーゾートでは新しく仲間入りしたバンドウイルカ3頭の名前を募集している。30日まで。
このうち2頭は2019年に和歌山県で捕獲された雌(推定10歳)と雄(推定9歳)。雌はしっかりした体つきでよく泳ぎ、力強い。雄は太っていて温和な性格で、おでこにダルマザメにかまれた小判型の歯形がある。もう1頭は21年に捕獲された雌(推定7歳)。おとなしく人懐っこい性格という。
いずれも現在、いけすでトレーニング中。年内にはパーク内の入り江で、元気に泳ぐ姿を来場客に披露できる見込み。