石川県内で15日、カモなどの狩猟が一斉に解禁された。県は今年、ツキノワグマの出没が相次いでいることから、捕獲数の上限を2年連続で最大の250頭まで引き上げた。県内ではクマによる人身被害が3年ぶりに発生しており、日の出とともにハンターが山林に初撃ちに繰り出し、獲物を狙って銃声を響かせた。
県自然環境課によると、今年は「ツキノワグマ出没警戒情報」を発令しているため、捕獲数の上限を昨年同様に180頭から250頭まで増やした。各自治体が編成する捕獲隊が、おりなどを使って捕らえたクマの捕獲数は、10月末時点で前年同期に比べて25頭多い56頭となっている。
クマの捕獲について、狩猟解禁前は、自治体の指示の下で捕獲隊として出動し、銃を使用することができるが、15日の解禁後は、本格的な狩猟が可能になる。
金沢市内の山あいでは同日、県猟友会金沢支部の東川伸二副支部長(66)ら6人がクマやイノシシに狙いを定めた。東川副支部長は「近くにはクマが枝を折ったり、木の実を食べた痕跡がある。そばにいる獲物を狙いたい」と話した。
県内では10月、金沢市の大乗寺丘陵公園、小松市の木場潟公園東園地で、いずれも男性がクマに襲われ、重傷などを負った。クマの目撃件数は11月9日現在で242件(前年同期241件)で、うち加賀市の74件(24件)が最も多く、次いで金沢市62件(64件)、白山市46件(23件)となっている。
狩猟期間は来年2月15日まで。県内ではマガモなど鳥類26種、タヌキやキツネなど獣類20種が日の出から日没まで狩猟可能となる。
農林業被害を防ぐためイノシシとニホンジカは猟期が延長され、2月末まで銃猟、3月末までわな猟ができる。県内の狩猟者登録数は15日現在で前年同期比58人減の1649人となっている。