アーチ型石橋見学しやすく 小松・滝ケ原の東口橋に手すりや石段設置へ

見学用に手すりを設置する東口橋=小松市滝ケ原町

  ●新幹線開業へ日本遺産発信

 小松市滝ケ原町の里山自然学校こまつ滝ケ原は、町内にあるアーチ型石橋「東口橋」を見学しやすいよう橋そばの斜面に手すりや石段を整備する。日本遺産「小松の石文化」の構成文化財の東口橋は斜面が滑りやすく、安全対策が課題だった。石橋の曲線美を下から間近に見ることができ、来年3月の北陸新幹線小松駅開業を見据えて石文化を発信し、誘客につなげる。

  ●里山自然学校

 東口橋は長さ9メートル、幅員2.5メートルで、1900年代初頭に滝ケ原石を使って架設された。町内にある五つのアーチ型石橋のうち最も古いとされ、宇谷川の最上流にある。昨年8月の大雨で橋桁の一部が損傷したが、石を詰め直して修復した。

 近くの斜面を下り、橋を見上げることができるスポットだが、斜面が滑りやすいことから、里山自然学校こまつ滝ケ原が2年前から安全対策の検討を進めていた。整備では、地元の石材業者から滝ケ原石の提供を受け、長さ6メートルにわたって石段を並べ、2メートル間隔で手すりを取り付ける。

 同校は滝ケ原町の住民で組織し、里山の自然を生かしたイベントを実施している。石切り場の景観向上のため、生い茂る樹木の伐採などにも取り組んでいる。

 25日には石橋などを見学する「日本遺産石文化巡りと食事交流会」(北國新聞社後援)を開催することにしており、山下豊学校長(77)は「どんな構造になっているのか、先人が築いた歴史ある石橋を見て歩き、滝ケ原の石文化をじかに感じてもらいたい」と話した。

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