GPS除雪山間部で実証 氷見市、全市導入へ実験2年目 作業報告など自動化

作業の安全を祈って御神酒をかけられる除雪車両=氷見市道路管理センター

 氷見市は今冬、衛星利用測位システム(GPS)を活用して除雪車の作業状況を把握する実証実験を山間部の10台で実施する。平野部に比べて出動回数が多く、オペレーターが出動を自主判断しており、作業報告の自動化による負担軽減を図る。実験初年度の昨冬は地域を絞らず無作為に行ったところ、一定の事務負担の軽減が確認された。2年目となる今季は市全域導入を視野に運用実績を重ねる。

 市除雪本部の開所式が15日、市道路管理センターで行われ、関係職員が作業に万全を期した。

 GPS装置を設置した除雪車は位置情報がリアルタイムで把握できるため、除雪業者による作業日報の作成や提出、市の除雪費用の算出を自動化できる。近い将来、市全域の除雪車に導入されれば、作業の進捗状況に応じて除雪車を振り分けることも可能になるとみている。

 初年度にGPSを設置した10台のうち、山間部は6台だった。市は市全域に導入を拡大するにはオペレーターの経験を増やすことが必要とみている。

 今冬の除雪は昨季より1台多い173台で実施する。自治会などに除雪車を貸し出す地域ぐるみ除排雪は余川、上田の2地区が加わり計38地区となった。

 除雪本部の開所式では本部長を務める篠田伸二副市長が入り口に看板を取り付け「暖冬の予想があるが油断せず、市民の信頼にこたえられる業務をお願いします」と訓示した。ロータリー車やグレーダーなど除雪車両に御神酒をかけ、試運転を行った。

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