【日田】日田市前津江町の大野楽(県指定無形民俗文化財)が19日、大野老松天満社などで8年ぶりに奉納される。伝統行事を継承しようと、大野楽保存会(佐藤初男会長)は夏休み明けから、前津江小の児童に曲や舞い方を教えている。
保存会によると、大野楽は同天満社に800年以上前から伝わる。五穀豊穣(ほうじょう)や疾病災難払いを願い、天皇即位など節目の年に開催。1952年以降は4~11年ごとに実施してきた。2020年に予定していたが、新型コロナウイルス禍で今年に延期した。
児童は9月から毎週、同校で保存会員から楽を教わり、休み時間も自主的に練習に励んでいる。
今月13日は、全校26人が会員の笛と太鼓の演奏に合わせてグラウンドに入場。カッパ役の「村童子(むらしこ)」がひょうきんな振り付けで踊り、なぎなた役が2人一組で演じた。
6年の佐藤百々花(ももか)さん(11)は「貴重な経験ができてうれしい。本番では練習したことをしっかりやりたい」。
佐藤会長(78)は「楽を初めて体験する子どもも多いが、しっかり練習してくれている。地域の文化を守ってほしい」と期待する。
大野楽は同天満社で19日午前8時から神事と大人の氏子による道楽がある。児童は前津江町ふるさと祭会場の同校で、10時半から奉納する。
問い合わせは市前津江振興局(0973.53.2111)。