「らいでん祭り」20年の歴史に幕 豊後大野市のイベントで山車が最後の登場【大分県】

最後に山車の上から餅をまき、約20年続いた祭りを締めくくった=豊後大野市三重町のエイトピアおおの
踊りや太鼓隊に先導されて入場するらいでん祭りの山車

 【豊後大野】豊後大野市三重町の夏の人気イベント「らいでん祭り」が約20年の歴史に幕を下ろした。スタッフや出演者の高齢化、人口減少などで新型コロナウイルス禍以降は開けず、最後に今月12日の「ぶんごおおのフェスタ」にイベントの一つとして登場。名物の山車の引き回しはなかったものの、出演団体による太鼓演奏やダンスの披露などで惜しまれつつ有終の美を飾った。

 地元有志らでつくる実行委員会(足立貞二委員長)が、4月に開かれていた真名野長者まつりの行事でねぶたを引き回す「らいでん行列」を基に、2003年から8月13日に開催時期を変えて始めた。

 町中心部の国道326号を通行止めにし、多い年で12基が参加。山車を激しく回転させたり高速で駆け抜けるなど勇壮なパフォーマンスが人気を集めた。踊りや太鼓、空手の演武など多彩な催しもあり、帰省客らに喜ばれていた。

 コロナ禍により20年から中止が続き、再開を模索したが担い手不足が深刻だったという。

 同フェスタへは「祭りを育ててくれた市民に直接、感謝を伝えたい」と参加。会場のエイトピアおおの(町内内田)に踊りや太鼓隊などに先導された山車1基が入場し、ステージではこれまで祭りを盛り上げてきた各種団体が演技を繰り広げた。最後は山車の上から餅をまき、締めくくった。

 山車のそばで見守った足立委員長(64)は「人員を確保できなくなった。これまで事故なく運営できて達成感がある。祭りの種をまき、土壌を耕したので、いつか復活させてくれる人が現れるのを期待したい」と話した。

© 有限会社大分合同新聞社