円安でも企業努力で10年ぶりの値下げ ボージョレ・ヌーボー解禁で盛況 国産人気もじわりじわり=静岡

11月16日に解禁されたフランス産ワインの「ボージョレ・ヌーボー」。静岡市のワイン専門店では、解禁を祝うパーティーが開かれ、盛り上がりをみせました。円安の影響が懸念される中での解禁ですが、国内産「ヌーボー」に力を入れる動きが広がっています。

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16日午前0時に解禁されたフランス産ワインの新酒「ボージョレ・ヌーボー」。静岡市葵区のワイン専門店「ヴィノスやまざき新静岡セノバ店」では、この日を心待ちにしていたファンが早速、2023年の味を楽しみました。

<客>
「今年は色も良くて、濃縮された味で、すごく香りも良くて美味しいです」

ヴィノスやまざきによるとボージョレ・ヌーボーの主力銘柄は以前、3000円台前半でしたが、2022年は円安やウクライナ侵攻の影響で5000円まで跳ね上がりました。強まる円安の中で迎えた2023年は…。

<ヴィノスやまざき新静岡セノバ店 本田悠樹店長>
「航空運賃の値下がりというのもあったんですが、瓶の重さを少し軽くいたしました。こちらが昨年のグラン クラヌーヴォー。こちらが今年のグラン クラヌーヴォー。ご覧いただいてわかるように、背の高さというのも違いますし、こういった底面も工夫をこらしまして去年よりかなり軽くしております」

瓶を350gほど軽くする企業努力で輸送コストを大幅に削減。2022年の5000円から、2023年は3580円に抑え、10年ぶりの値下げを実現しました。

<ヴィノスやまざき新静岡セノバ店 本田悠樹店長>
「コロナが明けたということもあるので、楽しい場で皆さんで喜んでいただければ」

一方で、円安の影響が少ないワインの人気が高まりました。

<杉本真子アナウンサー>
「おととし頃から注目されているワインがあるそうなんです。どんなワインなんでしょうか?」

<御殿場高原ワイン 樫原昭博取締役>
「こちらが今年の新酒のワインとなっています」

御殿場市のワイナリーで作られている「シャルドネ・ヌーボー」。自社の畑で栽培したブドウを使っています。

2023年は気温の高さに加え、降水量が少なかったことからブドウが早く熟し、仕上がりは上々です。

<杉本真子アナウンサー>
「すでに華やかな香りが広がります。甘味も少ないので、すごくさっぱりと飲むことができます」

円安が長期化する中、フランス産に比べ、手ごろな価格で購入できる国産ワイン。11月上旬から県内の3店舗で約200本販売したところ、すでに残り数本と好調な売れ行きです。

<御殿場高原ワイン 樫原昭博取締役>
「すごく有名な山梨、北海道、長野、そういったところではなく、御殿場という土地を選んでもらって注目してもらえるというのはすごく嬉しい」

フランス産に負けない御殿場産のヌーボー。その楽しみ方とは…。

<御殿場高原ワイン 樫原昭博取締役>
「家庭的な肉じゃがとか日本食の食卓に並ぶような日本のワインを楽しんでもらいたいというような思いです」

もとは静岡県産のワインを広めたいという思いから産まれた御殿場産のワイン。円安の中で地域の魅力が新たに広がりました。

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