富山県の氷見獅子、台湾で発信 高雄市歴史博物館で初の交流展

氷見市が貸し出した獅子舞道具について説明する大野主任学芸員(奥左から2人目)

 富山県の氷見市博物館と友好協定を結ぶ台湾・高雄市歴史博物館で16日、交流企画展「海を渡る獅子舞 氷見獅子と高雄戯獅甲(ぎしこう)」が始まった。2020年に協定を結んで以来、展示を通した交流は今回が初めてで、氷見市が貸し出した獅子舞道具などを展示して魅力を発信する。市は獅子舞が盛んな両市の文化交流促進につなげたい考えだ。来年3月10日まで。

 高雄市では今月18、19の両日、新型コロナウイルスの影響で中止されていた国際的な獅子舞コンペティション「高雄戯獅甲」が4年ぶりに開かれる。今回の交流企画展は、同市の一大イベントの復活に合わせ市歴史博物館が開いた。

 会場に「日本の獅子舞」や「『獅子舞の里』富山県氷見市」のコーナーを設け、富山の獅子舞の歴史や種類、生活にどう根付いているかをパネルで紹介。氷見の獅子頭や胴幕、てんぐの衣装一式など48点も並ぶ。井波彫刻協同組合の協力で、粗彫りや仕上げ彫りなど獅子頭の制作工程ごとに実物を飾った。このほか台湾や高雄市の獅子舞を紹介するコーナーもある。

 開幕式に参加した杉本聡市観光交流課長は、協定締結後の交流が今回の企画展に結びついたとし「高雄市と氷見市との文化交流の深化を促進する契機となることを期待している」とあいさつ。市博物館の大野究主任学芸員が企画展のため用意した花目録の口上を披露し、展示を案内した。

 氷見市は昨年、高雄戯獅甲に市内の獅子舞団体を派遣することを計画したものの、新型コロナウイルスの影響で高雄戯獅甲が中止となり実現しなかった。

 今回は杉本課長らが現地を視察し、将来の獅子舞団体の派遣や、高雄市からの招へいの可能性などを探る。

開幕式で披露された花目録

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