冬タイヤ、早めに適切に 寒さ本格化し、交換時期迎える

交換後はホイールナットの締まり具合を確認することが重要だ=山形市・イエローハット山形西店

 朝晩は冷え込む日が増え、降雪シーズンを控える本県では、冬タイヤへの交換時期を迎えている。カー用品店などでは脱着作業の依頼が増えているが、冬に向け、自ら交換するドライバーも少なくない。懸念されるのはタイヤの脱落事故だ。タイヤ店の担当者は「自身で脱着する場合は適切な作業をしてほしい。天気次第で店は大変混み合うので、早めの交換をお願いしたい」と呼びかけている。

 タイヤ館山形南(山形市)によると、厳しい冷え込みになった先週末から交換作業の予約に加え、飛び込みでの依頼が増えた。今週末は30~40台の作業を見込んでいる。予約は今月末まで埋まっており、合間に飛び込みの客に対応する状態だ。同店の担当者は「今は1回目の繁忙期。寒さが増すにつれて忙しくなる」と話した。

 雪に慣れた本県では、「混み合う店舗よりも、自分で作業をしよう」という人も少なくない。ただ、自ら交換する場合、適切な作業をしないと、脱落事故を招く危険性があるという。今月14日、札幌市内で走行中の軽乗用車から外れたタイヤが女児に衝突する事故が発生した。県内でも過去には、この時期、タイヤ交換後の脱落による事故が起きている。

 イエローハット山形西店(山形市)の武田正也店長はホイールナットを締めるときの力加減が重要だと指摘し「自動車メーカーごとに決められた規定トルク値に従って締めてほしい」と話す。ナットは締め過ぎることも危険だが、1度締めた後、走行後に違和感がないかを確認し、場合によっては増し締めも必要になるという。

 原材料の原油高で、タイヤ価格も上昇し、買い換え時期を迎えていても、買い控えするケースも懸念される。スタッドレスタイヤは一般的に、3~4シーズンでゴムが劣化し、性能が低下するとされる。新品への履き替え後も、性能を十分発揮させるには慣らし運転が必要なため、「いずれにしても早めの交換が重要」と強調している。

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