逮捕の警部補、数年にわたり捜査費流用か 捜査中に民家で窃盗疑い、万引きも供述

京都府警本部

 京都府警の捜査員が職務で訪れた民家から現金を盗んだとされる事件で、窃盗容疑で逮捕された府警捜査2課警部補の男(57)が、捜査費を数年にわたって少なくとも複数回、私的に流用していた疑いがあることが11月17日、捜査関係者への取材で分かった。

 捜査費は、犯罪の捜査にかかる諸経費や情報提供者に支払う謝礼などで、国や府の予算が原資となっている。捜査関係者によると、警部補は今年春ごろに別の不正行為が浮上し、任意で事情を聴く中で「盗みをしたことがある」と話したことで窃盗事件が発覚。さらに調べの中で「捜査費を不正流用したこともある」との趣旨の説明もしたという。府警は警部補が過去、数年間で複数回にわたり捜査費を私的に流用していたとみて、詐欺や横領の疑いも視野に捜査する方針。

 警部補の窃盗事件を巡っては、伏見署に勤務していた2019年7月、変死事案の捜査中に関係先の民家から現金約10万円と腕時計を盗んだとして、16日に逮捕された。捜査関係者によると、警部補は認知症の高齢者宅でも現金を盗んだり、商業施設で万引したりしたことも述べており、多額の余罪があるとみて府警が捜査している。

 府警は17日、窃盗容疑で警部補を送検した。

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