「駒田蒸留所へようこそ」台湾で12月上映 南砺・ピーエーワークス制作

映画に登場したものと同じデザインを採用した三郎丸蒸留所の看板=砺波市の若鶴酒造

  ●日本のウイスキー発信

 南砺市のアニメ制作会社ピーエーワークスが手掛けた映画「駒田蒸留所へようこそ」が12月8日から、台湾で上映されることが決まった。12月以降には欧州やアジア、中東地域でも上映が予定される。若鶴酒造(砺波市)の三郎丸蒸留所が舞台モデルの一つとなっており、同社では映画と同様のデザインの看板がお目見えした。ジャパニーズウイスキーを巡る物語に国内外で注目が高まりそうだ。

  ●欧州でも展開へ

 映画は、経営難の蒸留所の再起に奮闘する女性社長とニュースサイトの記者が幻のウイスキーの復活を目指すなかで成長する物語。10日に富山県内など全国の映画館で公開された。

 映画の宣伝会社によると、12月8日から台湾国内の映画館で上映される。スペイン、英国、韓国、香港、中東地域にも展開する予定だという。

 若鶴酒造は17日、映画に登場する蒸留所の看板と同じデザインで作った文字看板を砺波市の同社でお披露目した。高さ12メートルの精米倉庫の壁面に縦7メートルの大きさで「若鶴酒造 三郎丸蒸留所」の文字を掲げた。

 映画に登場する駒田蒸留所も建物の壁に大きく蒸留所名とウイスキーのラベルデザインを掲げている。三郎丸蒸留所の看板には、過去の商品ラベルに使用したタロットカードの「愚者」のイラストを用いた。映画のモデルである同酒造を訪れた人の写真スポットにしてもらい、作品を盛り上げる。

 若鶴酒造の稲垣貴彦CEO(最高経営責任者)は台湾での上映について「台湾のウイスキー消費量は日本の3倍。ジャパニーズウイスキーを広めるきっかけになってほしい」と期待した。

 映画に登場するウイスキー「KOMA」の復活を目指して実施されているクラウドファンディングの寄付金額は1週間で3800万円を突破した。10日から受付を開始し、3時間足らずで目標金額の1千万円に達し、3日後には3500万円を超えた。

 異例のスピードに稲垣社長は「返礼品を追加して期待に応えたい」と話した。

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