核禁会議へ被爆2世2人を派遣 被爆者の訴えつなぎたい

持参する被爆瓦を持ち思いを語る佐藤さん(右)と尾崎さん=長崎市役所

 原水爆禁止県協議会(県原水協)は17日、米ニューヨークで開かれる核兵器禁止条約第2回締約国会議(27日~12月1日)に、長崎市在住の被爆2世2人を派遣すると発表した。
 2人は佐藤澄人県原水協事務局長(74)と尾崎庸美さん(72)。日本原水協の代表団の一員として会議の傍聴や各締約国の政府代表との交流のほか、オーストリア政府の協力で日本原水協が主催するサイドイベントにも参加する予定。
 17日、長崎市役所で会見した県原水協の大矢正人代表理事は「今後の運動の中心を担う2世に活動をリードしてほしい」と派遣の意義を説明した。
 亡き母が長崎で被爆した佐藤事務局長は被爆瓦や被爆の惨状を収めた写真を持参する。「被爆者が頑張ってきた(終戦後の)78年を今の世界は帳消しにするのではないか。何かしないといけないと、母が背中を押している。被爆者の訴えをつなぎたい」と話した。
 両親や兄が長崎で被爆した尾崎さんは「世界中で紛争が起き、何度、同じ過ちを繰り返すのだろうという思いがある。できることから平和への思いを伝えたい」と語った。

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