母校で外国語学習 ジャパネット創業者・髙田さん「完璧でなくていい」

「外国語学習が嫌いという考えは『だめ』」などと母校の1年生に呼びかける髙田さん(右)=平戸市立平戸中

 通販大手ジャパネットたかたの創業者、髙田明さん(75)が15日、母校の平戸市立平戸中(鏡川町、木寺剛校長、232人)で、1年生3クラス計81人に向けて外国語学習の大切さなどについて授業を行った。
 長崎県教委が本年度始めた英語発信力強化事業の一環。外国語のコミュニケーション能力や主体性などを身に付け、異文化への理解を深めたグローバル人材育成を狙う。2025年度まで3年間、各年度2回ずつ本県ゆかりの講師が授業を実施。本年度は大石賢吾知事が10月、佐世保市立祇園中で米国留学経験などについて授業した。
 髙田さんは平戸市出身。平戸中では1クラスで講話し、ほかの2クラスはリモートで受講した。中学時代のエピソードとして、英単語を覚えた数を友達と競って英語に興味を持ち、海外で働きたいと思うようになったなどと紹介。大学時代の留学生との交流、就職後の海外勤務で、フランス語やイタリア語などに興味が広がった経験から「『分かりません』『ありがとう』など、単語だけで相手とコミュニケーションできる。完璧に話せなくていい」などとアドバイスした。
 また、「英語ができるだけで海外勤務を任せられ、ほかの人より経験が積める。英語が嫌いという考えは『だめ』」「誰かと比べるのではなく、昨日の自分、何年か前の自分と比べて成長できたと思えば悩むことも減る。夢を持ち続け日々精進してほしい」などと呼びかけた。
 対面授業を受けた土井裕暖さん(12)は「昨日までの自分より成長したい。英語は苦手と感じていたけど、頑張って勉強しようと思った」と振り返った。県教委は2回の授業動画をまとめたものを、県内の小中学校に教材として本年度中に提供する。

© 株式会社長崎新聞社