数え97歳、今も毎日畑仕事! 沖縄・嘉手納町で長寿を祝うパレード 健康の秘訣は「たんぱく質をたくさん取って」

 沖縄県嘉手納町の上運天次郎さんの数え97歳のカジマヤーを祝うパレードが3日、町役場周辺であった。元小学校の教諭で、多くの教え子が駆け付ける中、乗車した真っ赤なオープンカーから満面の笑みで手を振った。はきはきと受け答えする恩師の姿に、教え子や地域住民は「変わらずお元気で」と喜び、健康長寿を祝った。(中部報道部・屋宜菜々子)

 次郎さんは3男1女を授かり4人の孫に恵まれた。家族がパレードと祝賀会を主催し、この日のために借りたオープンカーに孫の陽(みなみ)さん(27)らが風車などを豪華に装飾。よく一緒にステーキを食べに行くという陽さんは「100歳まで元気でいてほしい」と願った。

 75歳までソフトボールをして体を動かし、今も毎日畑仕事に精を出す。「たんぱく質をたくさん取って、筋肉を落とさないこと」が健康の秘訣(ひけつ)。華やかな衣装に身を包み、しっかりとした足取りで車へ乗り込んだ。町役場を出ると、沿道で風車を手に出迎えた地域住民らから「おめでとう」と祝福を受け、小さな子どもに握手を求められた。

 1945年に教諭となり嘉手納小の校長などを歴任。「覚えていますか?」「お世話になりました」など、教え子が当時のクラス名や旧姓を名乗りながら声をかけ、花束を渡した。

 小4の時に理科を教えてもらった山田幸子さん(70)は同じ町内に住んでいるが、コロナの影響で会うのは久しぶり。直接祝いの言葉を伝えたいと駆け寄った。「先生はジョークを言ってみんなをゲラゲラ笑わせていた。子どもたちからとても慕われていた」と振り返った。

 次郎さんは一人一人の目を見て「なんと喜ばしい。ありがとう、ありがとう」とうなずき、時折涙を浮かべながら感謝した。

 パレード後は町中央公民館で祝賀会を開き、約220人が盛大に祝った。

家族に囲まれ、教え子らから祝福を受けて喜ぶ上運天次郎さん(左から2人目)=3日、嘉手納町(走行中は4人のみ乗車)

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