11月18日、第70回マカオグランプリのモーターサイクルグランプリ決勝レースが、全長6.120kmのギア・サーキットで行われ、ピーター・ヒックマン(FHO Racing BMW Motorrad)がポール・トゥ・ウインで4勝目を収めた。
70回目の大会となるが、マカオ・モーターサイクルグランプリにおいては今年で55回目。16日にフリー走行、17日に予選が2度行われ、18日に決勝レースのスケジュールで、今年は2レース制ではなく12周のレースが1度のみ開催された。
フリー走行からヒックマンが好調でトップ、2番手がデイビー・トッド(Burrows Engineering/ RK Racing BMW by MGM)と公道レースの猛者が速く、昨年の勝者エルネー・コスタモ(ZERO UP Racing Team by Penz 13)が3番手につけた。
翌日の予選でもヒックマンが速さを見せたが、2度目の終盤にトッドが首位に浮上。それを見たヒックマンが最後のアタックに出て2分24秒879を記録してポールポジションを獲得した。
2番手はトッド、3番手は予選2回目にタイムを上げたコスタモ、2列目はデビッド・ダッザー(MTP-Racing by ZERO UP Penz 13)が4番手、9度の勝者マイケル・ルター(FHO Racing BMW Motorrad)は5番手、フィリップ・クロウが6番手に続いた。
18日の決勝は、気温16度、路面温度20度の晴れでドライコンディション。全23台によるウォームアップラップが終わりグリッドに着く際にトッドのマシンのオイルパイプが裂けて白煙が出ていたようで、手を挙げてアピール。彼のマシンはピットレーンに運ばれていき、エクストラフォーメーションラップでもう1ラップ周回してからグリッドに。レースは1周減算の11周となり、22台がスターティンググリッドに並んだ。
そしてようやくレースがスタートするとヒックマンがホールショットを決める。ルターが一気に2番手に躍り出てヒックマンに迫る。その後ろにダッザー、コスタモ、初参戦のジョシュ・ブルックス(FHO Racing BMW Motorrad)が続いた。
この1周目に19コーナー(ドナ・マリア・ベンド)でブライアン・マコーマック(Roadhouses Macau / FHO racing)がクラッシュ。そこに後続のナディエ・スホーツ(Basomba Racing)が衝突を避けるために転倒。このアクシデントで赤旗中断になる。なお、マシン同士はぶつかり、ライダーは病院に運ばれたが軽傷で命に別状はない。
赤旗中断のなかで路面のオイル処理が30分超行われ、ライダーたちが再びグリッドにつく。オリジナルグリッドの12周でリスタートすることになり、幸運にもマシントラブルで戦線離脱したと思われたトッドも、修復したマシンでこのリスタートには加わることができて元の2番手グリッドに着いた。
再開されたレースではさきほど病院に運ばれたふたりとジュリアン・トルンマー(WH Racing powered by Dynobike)が参加できず、20台での戦いに。このスタートでもヒックマンがホールショットを奪い、トッド、ルターが続く。
1周目の終盤には、ルターがスローダウンでピットイン。残念ながらトラブルでリタイアとなり、10勝目の可能性がなくなった。2周目にはトップ2台が抜け出して、早くもヒックマンとトッドの優勝争いが激化する。
少し遅れをとる3番手のコスタモだったが、電気系トラブルで4周目の途中でリタイア。3位争いはブルックスとダッザーのふたりに。また、5周目にはヒックマンがトッドを引き離していき単独での走行となっていく。6周目には3番手がダッザー、4番手がブルックスと入れ替わる。
残り5周、ヒックマンは後続と10秒の差をつけて一切他車を寄せ付けない。そのまま危なげなくレースを進めて28.969秒差の圧勝でヒックマンがマカオGPで2015、2016、2018年に続き4度目の優勝を飾った。2位はトッド、3位はダッザー。初参戦のブルックスは惜しくも4位で、トップ4台がBMWだった。
また、最終ラップの最終コーナーで12番手だったカミル・ホラン(Blue Garage)が転倒を喫して残念ながらリタイアに。15台が完走を果たした。
■第70回マカオグランプリ 第55回モーターサイクルグランプリ決勝順位結果
Pos. No. Rider Team Motorcycle Time/Gap
1 88 ピーター・ヒックマン FHO Racing BMW Motorrad BMW M1000RR 29’16.090
2 7 デイビー・トッド Burrows Engineering/ RK Racing BMW by MGM BMW M1000RR 28.969
3 55 デビッド・ダッザー MTP-Racing by ZERO UP Penz 13 BMW M1000RR 30.809
4 888 ジョシュ・ブルックス FHO Racing BMW Motorrad BMW M1000RR 33.120
5 44 ロバート・ホドソン SMT Racing ホンダCBR1000RR-R 41.583
6 18 ルーカス・マウラー – カワサキZX10R 1’03.249
7 22 ポール・ジョーダン ZERO UP Racing Team by Penz 13 BMW S1000RR 1’08.319
8 96 ドミニク・ハーバートソン – カワサキZX10R 1’23.955
9 25 マイケル・エバンス – スズキGSXR 1’29.187
10 6 サムエル・ウェスト moto-hub.co.uk by MGM BMW S1000RR 1’53.487
11 74 ジョーイ・トンプソン Seventy Four Racing LTD by GENERTECH ヤマハR1 1’54.058
12 29 ティモシー・モノー – ヤマハYZFR1 2’10.708
13 16 ポール・ウィリアムズ – スズキGSXR1000 2’15.588
14 17 マーク・グッディングス – カワサキZX10 2’41.684
15 85 オリビエ・ルプバーガー Team Swiss Lupi by Heiger Motorsport カワサキZX10RR 1Lap
– 474 カミル・ホラン Blue Garage カワサキZX10R 1Lap(リタイア)
– 38 エルネー・コスタモ ZERO UP Racing Team by Penz 13 BMW S1000RR 9Laps(リタイア)
– 71 フィリップ・クロウ – BMW M1000RR 9Laps(リタイア)
– 20 デイビッド・ジョンソン – カワサキZX10RR 10Laps(リタイア)
– 8 マイケル・ルター FHO Racing BMW Motorrad BMW M1000RR 10Laps(リタイア)
– 111 ブライアン・マコーマック Roadhouses Macau / FHO racing BMW M1000RR DNS
– 91 ジュリアン・トルンマー WH Racing powered by Dynobike ホンダCBR1000RR-R DNS
– 49 ナディエ・スホーツ Basomba Racing ヤマハR1 DNS